オーダーメイド・ステンドグラス「山ぶどう」は組み立て開始

縦1.3mの大判ステンドグラス「山ぶどう」は、銅テープが巻き終わり、組み立て作業に入っています。台紙の上にガラスピースを載せていくと、絵の全容が初めて見えてきます。

台紙上にガラスピースを並べていきます

ブドウの実のピースも裏表や向きにわずかな差があるので、慎重に配置します

このピースを置く作業が、いちばんワクワクします。思った通りの絵柄になることが多いですが、たまに意外性を感じることもあります。

ハンダをつける前に、銅テープ部分にペーストフラックスをつけます

高出力のセラミックはんだごてで、一気にハンダを盛っていきます

高出力のセラミックはんだごてで、一気にハンダを盛っていきます

ハンダの融点は200度以下ですが、450度以上出る高温ハンダごてで、一気にハンダ付けしていきます。ハンダが完全に液状化すると、つるっとしたきれいなハンダ面ができます。

1日目、表面のハンダ付けが終わりました。

1日目、表面のハンダ付けが終わりました。

ステンドグラス「山ぶどう」は銅テープ巻き中

研磨が終わったガラスピースには、切断面を包むように銅テープ(コパーテープ)を貼り付けていきます。ぐるりと1周巻くわけです。組み立て時にこの銅部分にのみハンダが付きます。

紫のブドウの実に相当するガラスに幅5㎜ほどの銅テープを巻いています

銅テープの裏にはあらかじめ粘着剤がついており、シールのように貼ることができます。

透明の大きなピースには幅が広めのテープを巻きます

仕上げに、へらで空気を抜くように押さえつけて、テープをガラスに密着させます

この銅テープ巻は、そのまま仕上がりに影響するので、ガラスカット以上に慎重に作業します。反対にガラス切断面は、最終的にはハンダの奥に隠れて見えないので、気合を入れてきれいにする必要はありません。

テープを巻き終えたピースはコンテナで管理します

ステンドグラス「山ぶどう」はガラスを研磨中

ガラスカットも最終段階、グレーのアンティークガラスを使って、葉や枝を作ります。今回は水墨画調のステンドグラスにするので、原画通りに、枝や葉はグレーです。3諧調濃さの異なるグレーで、調子付けをします。

グレーのガラスで、葉や枝を作ります

グレーのガラスで、葉や枝を作ります

カットが終わり、各ピースの切断面をルーターで研磨します。こうすることで、微妙な形状調整ができ、またこの後の工程で銅テープが付きやすくなります。

ステンドグラス専用のルーター(グラインダー)で断面を滑らかに研磨します

ステンドグラス専用のルーター(グラインダー)で断面を滑らかに研磨します

ぐるりと研磨したら、型紙の上にのせてガラスがはみ出していないかチェックします

ぐるりと研磨したら、型紙の上にのせてガラスがはみ出していないかチェックします

ガラスの周囲から、下に敷いた型紙が少し見えている程度が最適です

ガラスの周囲から、下に敷いた型紙が少し見えている程度が最適です

ブドウの実のピースもどんどん研磨していきます

ブドウの実のピースもどんどん研磨していきます

研磨し終わったピースは型紙と一緒にコンテナで管理します

研磨し終わったピースは型紙と一緒にコンテナで管理します

 

オーダーメイドステンドグラス「山ぶどう」はブドウのガラスカット

ガラスカットも後半に入っています。背景ガラスはクリアなのですが、2種類使っています。今カットしているのはフィブロイドガラスと言ってヘアラインの凹凸模様が入っています。今はなきウロボロス社の名品で、当工房のストックもあとわずかです。

貴重なウロボロス社のフィブロイドガラス

このヘアライン模様を水平にそろえると、作品全体の安定感が増す気がします。

ヘアライン模様の向きが水平になるように型紙を配置します

ヘアライン模様の向きが水平になるように型紙を配置します

同時に紫のブドウの実もカットしています。青紫(ヴァイオレット)と赤紫(パープル)の2色で、ランバーツ社とフィッシャー社のアンティークガラスです。フィッシャーも今はない会社です。

ランバーツ社のアンティークガラスでブドウの実を作ります

ランバーツ社のアンティークガラスでブドウの実を作ります(ヴァイオレット)

フィッシャー社のパープルの美しいアンティークガラス

ちなみにアンティークガラスとは、アンティークな製法(職人による宙吹き)によって作られた新品です。

ライトボックスの上でカット中

大判ステンドグラス「山ぶどう」はガラスカット開始

オーダーメイドのステンドグラス「山ぶどう」は久々の和風ステンドグラスで、背景は透明クリア、葉や茎はグレーです。
今、背景のクリアガラスをカットしています。

ステンドグラス用板ガラスの上に型紙を配置しています

ステンドグラス用板ガラスの上に型紙を配置しています

ガラスカットは、ガラスカッターで傷をつけ、プライヤーで割る、の繰り返しです。

ガラスカット作業は、ガラスカッターで傷をつけ、プライヤーで割る、の繰り返しです

背景ガラスはただの透明ガラスではなく、凹凸のテクスチャがあります。窓に取り付けたとき、背後の景色が面白く歪んでみ会えます。

カットしたガラスはコンテナで管理します

カットしたガラスは、型紙と合わせてコンテナで管理します

お正月を挟んで、ガラスカット作業はしばらく続きます。

ステンドグラスパネル「山ぶどう」のデザイン開始

横74cmx縦130cmの大判のステンドグラスに取り掛かっています。最初のデザインは、水墨画から始まり、今はパターン(型紙)に起こしています。

水墨画で描いたステンドグラス「山ぶどう」のデザイン画

完成は2026年春の予定です。

「山ぶどう」のパターンを制作中

「山ぶどう」のパターンを制作中

フュージング画「人魚姫」制作中

人魚姫といえばアンデルセンのおとぎ話ですが、今回はその一場面、難破船を見に行く人魚姫たちを描いています。コペンハーゲンには人魚姫の像がありますが、この像の特徴は人間の脚を持つという点だと思います。今回の作品もこの像に倣いました。

横82cmx縦47cmのフュージング画の手法で制作しています。主に緑系と青系のガラスフリットで着色しています。人魚は3人。巨大な海藻ジャイアントケルプを林立させて、遠近感を出しています。

「人魚姫」のフュージング画
グラス工房達風制作

ステンドグラス「椿とメジロ」取り付け施工後

7月に完成して納品したステンドグラス「椿とメジロ」は、無事施工が終わったようです。お客様から写真のご提供がありました。

ステンドグラス「椿とメジロ」

床の間に取り付けられたステンドグラス「椿とメジロ」

もともとこの場所には、普通の障子が入っていたそうですが、リフォームでステンドグラスに付け替えられました。ステンドグラスはほぼ正方形です。中央の円の外側は和紙に見えますが、実はここはオパールセントという半透明の白いガラスです。格子状に金属線を入れることで、和風の格子を彷彿とさせています。

夜になって縁側(廊下側?)の明かりで照らしてみた様子です

夜になって縁側(廊下側?)の明かりで照らしてみた様子です

人工光で背後から照らしても趣があります。

ステンドグラス「椿とメジロ」はいよいよ完成です

オーダーメイドステンドグラス「椿とメジロ」は、最終段階、洗浄と黒染めです。専用の作業台を作り、その上で行います。

まず洗浄は、ハンダ付け作業で塗布したペーストを中性洗剤で洗い流し、同時にハンダ部分を真鍮ブラシで磨きます。

水と洗剤で、ステンドを洗浄しています

水と洗剤で、ステンドを洗浄しています

この洗浄をしっかりやっておかないと、黒染めが美しく仕上がりません

この洗浄をしっかりやっておかないと、黒染めが美しく仕上がりません

洗浄後、何度か水を変えてすすぎます。一旦乾燥させて、次はハンダ線の黒染めです。パティーナという薬品を刷り込んで、化学変化で黒くしていきます。

ステンドグラスの黒染め工程

ステンドグラスの黒染め工程

船がくるくなると、しまって見えます。また、輪郭線効果で、ポスターのような画面に自己主張が生まれます。

このあと乾燥し、防錆ワックスを塗布すれば完成です。

ステンドグラス「椿とメジロ」は組立工程

オーダーメイドステンドグラス「椿とメジロ」は全ピースのコパーテープ巻きを終え、組立工程です。

まず、台紙の上に全450ピースを並べます。

台紙の上にピースを並べていくと、絵の全容が現れます

台紙の上にピースを並べていくと、絵の全容が現れます

ガラスピースを並べていると、ジグソーパズルのようで、ワクワクします。

1時間ほどで並べ終えました。台紙上にきっちり、並んでいます。

1時間ほどで並べ終えました。台紙上にきっちり、並んでいます。

改めて、周囲の格子模様の美しさに気が付きます。コパーテープ上にフラックスを塗布して、次にハイパワー・セラミックごてで、ハンダを盛っていきます。

コパーテープの部分にダンダを盛っていきます。

コパーテープの部分にダンダを盛っていきます。

ハンダ作業の途中で、真鍮製の枠材と補強バーもハンダで共づけします。

これは周囲の枠と、補強バーです。

これは周囲の枠と、補強バーです。ハンダ前にピカピカに磨いてあります。

補強バーの取り付け

補強バーの取り付け

完成まで、あともう一歩です。