約1か月間を要したステンドグラス「柿」は、完成しました。
ハンダ後
洗浄→黒染め→洗浄→ワックス塗布→パテ詰め、で完成です。
ガラスにヒビは入っていないか、ハンダの屑が付着していないか、ハンダ線にピンホールは無いか、などチェックします。そして写真撮影。
そして、あっという間に、お別れの時間です。
お客様の元で、可愛がってもらいなさい...
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約1か月間を要したステンドグラス「柿」は、完成しました。
ハンダ後
洗浄→黒染め→洗浄→ワックス塗布→パテ詰め、で完成です。
ガラスにヒビは入っていないか、ハンダの屑が付着していないか、ハンダ線にピンホールは無いか、などチェックします。そして写真撮影。
そして、あっという間に、お別れの時間です。
お客様の元で、可愛がってもらいなさい...
良く熟した柿と、これをついばむヒヨドリをモチーフに、水墨画の原画で制作した和柄のステンドグラスです。サイズは748×841mmで、新潟県の一般住宅に納品します。
※この作品の詳しい説明は、ステンドグラス工房達風サイトの作品集ページで。
ステンドグラス・パネル作りも最終段階、ハンダ付けです。ガラスピースの縁に巻いた銅テープにハンダを載せて、各ピースを結合していきます。
本ハンダの前に、銅テープにペーストフラックスを塗布します。これで、ハンダが綺麗に乗ります。
銅テープを巻いて、翌日からハンダ付けしているので、とてもスムーズに流れます。これで1週間も置いてしまうと、酸化膜が出来てしまって、もっと難渋します。
ステンドグラスの完成も間近です。
ステンドグラスの技法には、大きく分けて、コパー(銅)テープ技法と、ケイム(鉛線)技法とがあります。今回の和風ステンドグラスは、前者で作っています。
研磨の終わったピース、1個1個に銅製のテープを巻いていきます。周囲の縁の部分です。
テープが綺麗に巻けていないと、仕上がりのハンダ線が見苦しくなります。ガラスカットと同じくらい気を遣う工程です。
全ての銅テープ巻が終われば、間髪入れずに、組み立てです。銅製のテープは空気に触れて、刻一刻と酸化していきます。そして、ハンダの乗りが悪くなっていきます。テープ巻き3日、ハンダ作業2日くらいで、一気に駆け抜けます。
ステンドグラスの組み立て工程=ハンダ作業直前。大きな型紙上に、全ピースを並べます。はみ出すことなくぴったり収まって、気持ちがいいです。
ガラスカットも終盤です。今回、細い枝のピースが多いので、カットに気を遣います。
約500ピースのカットが終わると、切断面の研磨です。回転砥石で、ピースの周囲を研磨し、コパーテープ(銅テープ)が付きやすい表面にします。それと同時に、型紙にぴったり収まるように、調整します。
研磨後は、きれいに水洗いします。
「柿」と題するステンドグラスの制作は、ガラスカットに入っています。数日続くと思います。今回、ピースはかなり細かく、豆粒の大きさのものも多いです。
ガラスの上に、細かく切り刻んだ型紙を載せて、効率よくパターン取りします。
枯れた葉の部分は、茶色のガラスも使うことにしました。従来はグレーだけでしたが。
茶のガラスは、温かみもあり、画面に、わずかですが、変化をもたらすと期待します。
水墨画の原画を描いて、これをトレースして型紙に。そしてステンドグラスにする。この一連の作業で制作するステンドグラスを、私は「和風ステンドグラス」と称しています。
今回は、初めてのモチーフ「柿」に挑戦します。
原画は、ちょうど今の季節にピッタリの「柿」です。ヒヨドリもこの辺にはたくさんいますので、描きそえました。
型紙にするために、ライトボックスの上で、水墨画を方眼紙に写し取ります。
方眼紙の型紙は、1/1.9の大きさです。これを拡大コピーします。
明日から、ガラスカットです。
『器用貧乏』を国語辞典で調べると、【器用なので、一つのことに集中出来ず、かえって、大成できないこと(人)】とあります。私は自分を、典型的な器用貧乏だと思っています。
幼い頃から色々なことにすぐ興味を持ち、即始めるのですが、すこし出来るようになると、(ああ、このまま続けていけば、いずれ完全にモノにできるな)と思いはじめるのです。一つ事を会得するのに、中間地点の壁を突破するのが難しいことは知っています。だからか、持続する根気はありません。また自分で言うのもなんですが器用な方なので、ある程度形になるまでが結構速いのです。これも災いしています。飽きるのも速く、他の事に興味が移ってしまうのです。
半生を振り返り例を挙げてみると、油絵、アクリル画、書画、卓球、スキー、園芸、飼育、ステレオ作り、パソコン、機械いじり、木工、バイオリン、ギター、料理、他沢山です。最近は野菜作りに夢中です。分野としては、手先を使うものが多いです。他人が楽しそうにやっていることの「楽しさ」の一端を知ることが出来れば、それで満足です。
新しい電気製品や雑貨を目にしたり、美味しい料理に出会うと、(どうやって作るんだろう)と最初に思います。先だっても、妻の実家の前橋で、名物「焼き饅頭」を初体験した瞬間、これを自分でも作ってみたくなりました。小麦粉とイーストに、茨城の蕎麦粉を独自にブレンドして、数回試作しました。(これは「龍ヶ崎饅頭」と銘打って売れるぞ!もしうちでカフェを開いたら、目玉商品にしよう)と納得のいく出来を確認したとたん、急速に熱が冷めました。
私の器用貧乏の遺伝子は、明らかに母方の祖父から来ています。祖父は一介のサラリーマンでしたが、広大な庭で数百鉢のサツキを仕立て、畑を作り、果樹を育て、大きな小屋で世界中の珍しい鳥を飼っていました。定年後はさらに、アマチュア考古学者として埋蔵文化財の発掘をして同人誌を編集し、古文書研究、謡い、大工、高校の理科の非常勤講師などマルチにこなしていました。ある日、近くの池でフナを釣ろうという話になったとき、飼っていた銀鶏の尾羽根を細工して、ウキをこしらえたのにはびっくりしました。必要なものは自作から始まり、ダメなら廃品を修理し、どうしても上手く行かなかったら初めて「仕方ない買いに行くか」となる人でした。
器用貧乏には良いところも有ります。初対面の人と話すとき、話題を見つけやすい点です。そのものズバリの共通点が無くても、周辺知識を動員して十分くらいは会話ができます。それ以上続くとボロが出ますが。
「ある程度形になるまでが速い」と書きましたが、例外も有ります。ゴルフとステンドグラスです。ゴルフはプロにも教わりましたが、一年で諦めました。後者は、死ぬまで模索が続くでしょう。