山形県S市までステンドグラスの納品

4枚一組のステンドグラス「人魚姫」を自家用車に積んで、山形県まで納品してきました。自車での納品は原則的にはしないのですが、今回はサイズが大きいのと、日帰り圏内ということもあり、例外的に行ってきました。

前日に、マイカーに搬出専用木箱を仕込みます。この木箱、数年に1度くらいしか活躍しないし場所も取るのですが、自家用車ぴったりサイズに作ってあり、欠かせない設備です。この木箱にステンドを入れます。

自家用車にステンド搬出用木箱を設置

自家用車にステンド搬出用木箱を設置し、ステンドを入れます

茨城県龍ケ崎市の工房から山形県S市まで高速で約5時間。渋滞もなく快適でした。私の古ナビには無い新しい「東北中央道」も体験できました。

足場の上の吹き抜けに設置しました

足場の上に見える吹き抜けの窓に設置しました

私は高所恐怖症なので、大工さんに設置してもらいました。「段取り8部」といいますが、実際、事前の段取りも良く1時間半で設置完了しました。大工さんに感謝です。

無事設置完了(大工さんと)

無事設置完了(大工さんと)

施主様宅も広くモダンで、ステンドがとても映える素敵なおうちでした。

帰りにS市内の日帰り温泉で汗を流し、5時間かけて帰りました。

夜、外からみたステンドグラス。綺麗です(背絵主様ご提供)

夜、外からみたステンドグラス。綺麗です(施主様ご提供)

ペガサスと少女のステンドグラス:組み立て中

メルヘンチックなステンドグラスパネル「少女とペガサス」はガラス整形が終わり、組立工程に入っています。

まず、各ピースの切断面を包むように銅テープを巻き付けていきます。

ガラスピースに銅テープを巻き付けています

このピースを、組み立て用の台紙の上に並べていきます。この工程はジグソーパズルそのものです。

台紙の上にガラスピースを並べてていきます

台紙の上にガラスピースを並べてていきます

作品の全容が、徐々に明らかになっていきます。ワクワクします。

組み立ては、ハンダを使って銅テープの部分にロウ付けをして進めます。最初に点止めという仮ハンダをして、ピースがズレないようにします。

組み立ての最初はハンダによる点止めです。

組み立ての最初はハンダによる点止めです。

ハンダ付けは、銅テープを巻いてから数日以内に行います

ハンダ付けは、銅テープを巻いてから数日以内に行います

銅テープ巻から、ハンダ付け完了まで数日で終わらせるスピード仕事です。

ステンドグラス「ペガサスと少女」

上は完成写真です。作品の詳しい解説はグラス工房達風のサイトで御覧ください。

 

ペガサスと少女のステンドグラス:研磨中

ほぼ正方形のステンドグラスパネル「少女とペガサス」はガラスカットが終わり、周囲を研磨しています。ルーター(グラインダー)という回転砥石で、切断面をなめらかにします。

「ペガサスと少女」ガラスピースの周囲を研磨中

「ペガサスと少女」ガラスピースの周囲を研磨中

ガラスの切断面をぐるりと研磨すると、程よくザラツイた表面になり、この後の工程(銅テープ巻き)が楽になります。

研磨の終わったピースたち

研磨の終わったピースたち

 

ペガサスと少女のステンドグラス:ガラスカット中

少女とペガサスを題材にしたステンドグラスはガラスカット中です。全440ピース、細かくて大変です。

今回、緑のガラスが多く、数種類用意しています。

緑のアンティークガラス

少女のドレスは緑がかった青

少女のドレスは緑がかった青

黄緑は葉の一部です

黄緑は葉の一部です

アンティークガラスが手に入りにくく、思ったような配色にならないのですが、できるだけ達風らしいモノトーンを守りたいと思います。

切り終わったガラスはコンテナで管理します

切り終わったガラスはコンテナで管理します

翼のピースは似たような形が多いので、型紙の上に乗せて保管します

翼のピースは似たような形が多いので、型紙の上に乗せて保管します

ガラスカットはほぼ終了したので、ルーターで周囲をなめらかにしてから、銅テープを巻きます

ペガサスと少女のステンドグラス制作開始

ペガサスを題材にしたステンドグラスの制作がスタートしました。

ギリシャ神話でペガサスといえば、それを操るのはベレロポーンという男神ですが、今回は趣向を変えて少女が乗っています。これはこれで可愛らしいと思います。かつてフルートを吹いている少女が乗っていましたが、同じモチーフでは芸がないと思い変えました。

「ペガサスと少女」の型紙製作

原寸の型紙です。縦横60cm強です

原寸の型紙です。縦横60cm強です

ほぼ正方形に近い60cm超の作品です。今回はグリーン主体の配色で行く予定です。ただ、世界情勢の影響で良いガラスがなかなか手に入りにくくなっています。かつては、同じ緑でも10種類以上のラインナップがあり、微妙なグラデーションや調子付けができましたが、今手に入るのは数種類です。その分線画の面白みで魅せるしかないですね。

 

ステンドグラス「白樺」完成

大判ステンドグラス「白樺」はいよいよ完成です。3枚組の最後の1枚の組み立て。

ステンドグラス「白樺」3枚目の組み立て開始

ステンドグラス「白樺」3枚目の組み立て開始

台紙の上にピース、ハンダ付けをします。

ステンドグラスのハンダ付け

ステンドグラスのハンダ付け

3枚全部のハンダが終わったので、洗浄→黒染めと進みました。

洗剤で洗浄しています。

洗剤で洗浄しています。真鍮ブラシて磨いて、次の黒染めに備えます。

完成したステンドグラス「白樺」はこのとおりです。詳しい解説はこのページで御覧ください。

ステンドグラス「白樺」(グラス工房達風 制作)

横長ステンドグラス「紫陽花」制作中

2枚一組のステンドグラス「紫陽花」は、欄間の位置に取り付けられる予定です。ありがたいことに龍ケ崎市へのふるさと納税オーダーメイドのリピーターさんです。

サイズは横80cmx縦30cmx2枚です。花の部分のガラスは、いい色が入手できなかったので、フュージングで自作することにしました。

ここ数ヶ月でガラスの仕入れ値は1.5倍近くに値上がりし、さらに品薄で入手が困難になっています。直接的な原因は、世界的な物価上昇と円安の影響でしょうが、間接的にはウクライナ紛争によるエネルギー危機に因ると推測します。そこにここ数年のコロナ禍で、物流が停滞しているからなのではないでしょうか。

電気釜で紫とピンクのガラスを焼成

電気釜で紫とピンクのガラスを焼成

葉の部分は緑のガラスをカットします。

紫陽花の葉のガラスはオーソドックスな緑

紫陽花の葉のガラスはオーソドックスな緑

あまり大きな作品ではないので、一気に、研磨→テープ巻き→組み立てと進みました。

台紙の上にガラスピースを並べます

台紙の上にガラスピースを並べます

背景のブルーのガラスもアクセントになっていて可愛らしいです。

ハンダで組み立て

ハンダで組み立て

そして完成したステンドグラス「紫陽花」は下です。この作品の詳しい情報はココを御覧ください。

ステンドグラス「紫陽花」(グラス工房達風 制作)実際の2枚は横に並びます

ステンドグラス「白樺」は組み立て開始

大判ステンドグラス「白樺」は3枚組ですので、研磨→コパーテープ巻きが続いていますが、巻き終えたピースから同時並行で組み立てに入っています。

台紙の上に、テープを巻き終えたピースを並べます。ここで初めて作品の全体像が見えてきます。ワクワクします。

ジグソーパズルの要領で、ピースを所定の位置においていきます

ジグソーパズルの要領で、ピースを所定の位置においていきます

長さが2mもあるので、作業テーブルには臨時で板を取り付け、延長しています。

台紙の上にピースを並び終えた状態(左端の1枚)

台紙の上にピースを並び終えた状態(左端の1枚)

台紙の上にピースを並び終えた状態(右端の1枚)

台紙の上にピースを並び終えた状態(右端の1枚)

白樺の幹の白さと、葉の緑が鮮明です。

周囲は頑丈な真鍮鋼で取り囲みますので、別室でカット→研磨します。

真鍮鋼もたくさん使います

真鍮鋼もたくさん使います

こんなに大きくても製造誤差は±1mm以下を目指します。今回は、建築物にはめ込む、つまり相手のある仕事ですので、シビアです。長い2mの辺もブレにように、タコ糸を張って直線を作り、そこに沿わして周囲を固定します。

タコ糸を張って長辺の真直度を確認

タコ糸を張って長辺の真直度を確認

ステンドグラス「白樺」のガラス研磨とテープ巻き

3枚1組の大判ステンドグラス「白樺」はガラスカットが終わり、周囲をルーター(電動砥石)で研磨しています。

緑のガラスを研磨中

研磨することによって、この後のテープ貼りが効率よく進みます。

研磨が終わったガラスピース1個1個に銅テープを巻きます。切断面を包むように、ガラス厚より少し幅広めのテープを巻きます。

銅製テープを周囲に巻きます

銅製テープを周囲に巻きます

テープを巻き終えたガラスピース

テープを巻き終えたガラスピース

ステンドグラス「白樺」のガラスカット開始

3枚一組の大判ステンドグラス「白樺」はガラスカットが始まっています。総面積は3㎡もあるので、カット作業はしばらく続きます。

白樺の白いガラス

白樺の白いガラスに型紙に合わせた輪郭線を描きます

木の一本一本に切り分けます

木の一本一本に切り分けます

ガラスの母材は場所をとるので、ガラスを切り進めながら適宜仕入れます。緑のガラスも在庫を確認しながら切ったり、仕入れたりします。

緑の葉のガラス

緑の葉のガラス

切り終わったガラスは一旦コンテナに入れて保管します

切り終わったガラスは一旦コンテナに入れて保管します

ガラスカットは楽しい作業です。しばらく楽しめそうです。