私は典型的な理系です。
理系人間には、ロジック=論理的思考が求められていますよね。もちろん、文系、体育会系、他色々な系を含めた人間全般に、論理的な思考は大切ですが、理系人間には立場上、一段厳格なそれが求められていると思います。
でもこの訓練が行き過ぎると、普通の人間社会で摩擦を生むって知っていましたか。
私が20代のころですから大分前のお話になりますが、私と、年上のご婦人二人とで、たわいもないお話をしている時、こんなことがありました。
私がご婦人Aに、「今日のお召し物は素敵ですね」と言ったら、横にいたご婦人Bが「アラ、どうせ私の服は野暮ったいですよ」とすねられたのです。
瞬間私は何が起きたのか解らず、きょとんです。
もちろん、今では私が犯した問題は良くわかります。でも当時は、Bさんの服が野暮ったいだなんて言っていないし思ってもいないのに、なんで?と困惑しました。
論理学上、当時の私は正しいし、Bさんの反応は間違いです。ですが、文系が主流を占めるこの日本ではそうではなく、
「Aは素敵」なる命題は、「素敵なのはAだけ、だからBはゼンゼン素敵でない」と同値。
「逆は必ずしも真ならず」ではなく、世間一般では「逆も真」なのです。
妻に「今日の味噌汁美味しいね」と褒めようものなら、「焼き魚と、煮物と、米はマズイってこと!」。
上司に「今日の会議は頑張ります」なんて言おうものなら、「昨日までずーっと手を抜いてたってか!」。
恐ろしや。
理系・文系が未分化の小学校の段階から、論理学をしっかり学ばせるべきですね。