2024年JGAA「夏のガラス展」始まる

日本ガラス工芸協会(JGAA)の選抜9名による「夏のガラス展」が丸善日本橋店で始まりました。私も悪ノリ猫シリーズのフュージング画11点を出品しています。私以外には、切子、サンドブラスト、キルンワークなどの作家が出展しています。

会場:丸善日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10)
会期:24年7月24日~30日

今日の日本橋も35℃を超える猛暑です。

 

真夏の日本橋丸善 入口

夏のガラス展’24のポスター

夏のガラス展’24のポスター

ギャラリー入口を飾る悪ノリ猫のフュージング画

ギャラリー入口を飾る悪ノリ猫のフュージング画

福田の展示コーナー。悪ノリ猫のパネル、ランプ、絵皿

福田の展示コーナー。悪ノリ猫のパネル、家型ランプ、絵皿、全11点

ギャラリー全景

ギャラリー全景

円形のステンドグラス「藤」は組み立て中

直径40cmのステンドグラス「藤」は組み立て段階に入りました。

コパーテープを巻き終えたピースを台紙上に並べ、ハンダ付けします。

台紙の上に、藤の花や蔓のガラスピースを並べています

藤の花は濃淡2色のバイオレットで、綺麗です。今回は、葉の部分はアンティークガラスのグリーンです。微妙に色の異なる数種類の緑です。

台紙上に並び終えたガラスピース

テープを巻いた翌日に早速ハンダ付けです。時間を置くと酸化してきれいにハンダができません。

ステンドグラス「藤」はハンダ付け作業中

まもなく完成です。

円形のステンドグラス「藤」の制作開始

直径40cmの比較的小ぶりのステンドグラスパネルを作り始めました。柄は「藤」でそ。水墨画で原画を描き、それをトレースして型紙にしました。

左が水墨画の原画。右がそれをトレースして制作した型紙(原紙)

拡大コピーして作った、直径40cmの実寸大型紙

今回は水墨画を原画にしていますが、葉の部分は緑色にします。

型紙は境界線で切り離し、ガラスをカットするのに使用します。

型紙のカット

藤の花の部分は紫のアンティークガラス

カットしたガラス達

 

黒いフュージング画の制作

フュージング画といえば、これまではクリアの板ガラスをベース板にしてきましたが、今回始めて黒色のベース板を用いました。ブルザイのBUF0100です。夜の風景なので、黒が最適です。

満月の描きこみ

水墨画の原画を見ながら満月の描きこみ

まず画面の上部(写真では下)には、黒雲を従えた満月です。以前、中秋の名月を水墨画で描いていましたので、これをお手本にしました。白や黒のガラスパウダーで描いています。

桜の花はピンクのパウダーで

桜の花はピンクのパウダーで

月の光で輝く桜は、ピンクのガラスパウダーで丹念に描きました。

電気釜で焼成

電気釜で焼成

焼成は10回弱行いました。秋の展覧会(うしく現代美術展)に出品する予定です。

山形県S市までステンドグラスの納品

4枚一組のステンドグラス「人魚姫」を自家用車に積んで、山形県まで納品してきました。自車での納品は原則的にはしないのですが、今回はサイズが大きいのと、日帰り圏内ということもあり、例外的に行ってきました。

前日に、マイカーに搬出専用木箱を仕込みます。この木箱、数年に1度くらいしか活躍しないし場所も取るのですが、自家用車ぴったりサイズに作ってあり、欠かせない設備です。この木箱にステンドを入れます。

自家用車にステンド搬出用木箱を設置

自家用車にステンド搬出用木箱を設置し、ステンドを入れます

茨城県龍ケ崎市の工房から山形県S市まで高速で約5時間。渋滞もなく快適でした。私の古ナビには無い新しい「東北中央道」も体験できました。

足場の上の吹き抜けに設置しました

足場の上に見える吹き抜けの窓に設置しました

私は高所恐怖症なので、大工さんに設置してもらいました。「段取り8部」といいますが、実際、事前の段取りも良く1時間半で設置完了しました。大工さんに感謝です。

無事設置完了(大工さんと)

無事設置完了(大工さんと)

施主様宅も広くモダンで、ステンドがとても映える素敵なおうちでした。

帰りにS市内の日帰り温泉で汗を流し、5時間かけて帰りました。

夜、外からみたステンドグラス。綺麗です(背絵主様ご提供)

夜、外からみたステンドグラス。綺麗です(施主様ご提供)

無鉛ステンドグラス(フュージング画)「女神のみそぎ」は5回目の焼成

無鉛ステンドグラス=フュージング画は、ガラスフリット(ザラメ状のガラスの粒)を載せ→焼成→冷ます→ガラスフリットを載せ、の繰り返しです。今回は5回目の焼成ですが、段々と仕上がりが近づき、微調整の段階です。ですので、1回に載せるフリットの量も少なくなります。

下の写真は4回めの焼成の直前です。

手前の山並みのところに紫のガラスフリットを載せています

手前の山並みのところに紫のガラスフリットを載せています

下は5回めの直前です。空のブルーも重ね焼きで濃くなり、女神も白一色から多色になります。白ぽく見えるところは、新たにフリットを載せた場所です。

5回目は、桜の花と、女神の微妙な色付け

5回目は、桜の花と、女神の微妙な色付け

 

無鉛ステンドグラス(フュージング画)「女神のみそぎ」制作開始

オーダーメイドの幅82cmx縦47cmの無鉛ステンドグラス(フュージング画)「女神のみそぎ」は制作がスタートしました。デザインのテーマは、木花咲耶姫が水辺で禊をするシーンです。依頼主様からは「雪山、桜、ブルースカイに白い雲」というお題をいただきましたが、桜に合わせて女神も付加してご提案しました。

原寸大の型紙の上に、フュージング用の板ガラスを置いて、様々な色のガラスフリットを載せて、焼成していきます。

原画を拡大コピーした原寸大の型紙

原画を拡大コピーした原寸大の型紙

最初は、クリアの板ガラス上に白いガラスパウダーをマスクを使って載せ、雪山や女神の輪郭を作ります。これを一旦焼成して定着させます。この後、様々な色ガラスのパウダーやフリットを載せ、重ね焼していきます。

白パウダーガラスの焼成

白パウダーガラスの焼成

桜のピンクや、緑、ブルーのフリットを載せて2回目の焼成です。

黄緑色のガラスフリットを載せています

黄緑色のガラスフリットを載せています

焼成2回目の直前の様子

焼成2回目の直前の様子。なんとなく絵になってきました。

ステンドグラス「人魚姫」は仕上げ段階

4枚一組のステンドグラス「人魚姫」は、組み立てが終わり、いよいよ仕上げ段階です。

まずは洗浄です。フラックスを除去し、はんだ線を磨けあげます。パネルが大きいので、寝かしたり起こしたりするのに気を使います。たわまないように、どの作業も二人一組です。

 

ステンドグラスの洗浄

中性洗剤をかけ、真鍮ブラシでステンドグラスの洗浄

洗浄して、ハンダ線を磨いたら、黒染めします。

二酸化セレンの水溶液を使って黒染め

二酸化セレンの水溶液を使って黒染め

黒染め後、さらに洗浄して乾かします。最後に防錆ワックスを塗って完成。

ワックス塗布

防錆のためにハンダ部分にワックス塗布

ステンドグラス「人魚姫」は、4枚目組み立て中

オーダーメイドステンドグラス「人魚姫」も組み立ては最終段階です。4枚組の4枚目です。

ステンドグラス「人魚姫」の4枚目

ステンドグラス「人魚姫」の4枚目

大判のステンド4枚ともなると、ハンダの消費もすごいです。約10kgです。ハンダの値段ももう少し下がってくれるとありがたいのですが。

オパールセントガラスの良さは、反射光でもきれいなこと

オパールセントガラスの良さは、反射光でもきれいなこと

窓用パネルですが、オパールセントガラスを多用しているので、ガラスモザイクのように背面に光がなくてもそこそこきれいです。きっと、昼と夜とで別の楽しみ方ができると思います。

ステンドグラス「人魚姫」は、3枚目組み立て中

大判のオーダーメイドステンドグラス「人魚姫」は、4枚組ですが、2枚が組み立て完了し、3枚目に入っています。

下の写真は2枚目(右から2番め)のパネルです。台紙上に並べた状態です。緑のガラスが鮮明です。

ステンドグラス「人魚姫」 右から2番めのパネル

ステンドグラス「人魚姫」 右から2番めのパネル

パネルは1枚が89cmx136cmと大きいので、中央縦方向に補強の真鍮棒を通しています。リブ構造とも言います。これで、静的には強度が増しますし、動的には共振周波数を上げる効果があり、耐震性も向上します。最近地震が多いので、念のために入れます。

周囲と中央に真鍮の補強材があります

パネルの裏側です。周囲と中央に真鍮の補強材があります

下の写真は3枚目(一番左側)です。台紙上に並べて、これから組み立てです。

3枚目のパネル

3枚目のパネル