ステンドグラス「人魚姫」は仕上げ段階

4枚一組のステンドグラス「人魚姫」は、組み立てが終わり、いよいよ仕上げ段階です。

まずは洗浄です。フラックスを除去し、はんだ線を磨けあげます。パネルが大きいので、寝かしたり起こしたりするのに気を使います。たわまないように、どの作業も二人一組です。

 

ステンドグラスの洗浄

中性洗剤をかけ、真鍮ブラシでステンドグラスの洗浄

洗浄して、ハンダ線を磨いたら、黒染めします。

二酸化セレンの水溶液を使って黒染め

二酸化セレンの水溶液を使って黒染め

黒染め後、さらに洗浄して乾かします。最後に防錆ワックスを塗って完成。

ワックス塗布

防錆のためにハンダ部分にワックス塗布

ステンドグラス「人魚姫」は、4枚目組み立て中

オーダーメイドステンドグラス「人魚姫」も組み立ては最終段階です。4枚組の4枚目です。

ステンドグラス「人魚姫」の4枚目

ステンドグラス「人魚姫」の4枚目

大判のステンド4枚ともなると、ハンダの消費もすごいです。約10kgです。ハンダの値段ももう少し下がってくれるとありがたいのですが。

オパールセントガラスの良さは、反射光でもきれいなこと

オパールセントガラスの良さは、反射光でもきれいなこと

窓用パネルですが、オパールセントガラスを多用しているので、ガラスモザイクのように背面に光がなくてもそこそこきれいです。きっと、昼と夜とで別の楽しみ方ができると思います。

ステンドグラス「人魚姫」は、3枚目組み立て中

大判のオーダーメイドステンドグラス「人魚姫」は、4枚組ですが、2枚が組み立て完了し、3枚目に入っています。

下の写真は2枚目(右から2番め)のパネルです。台紙上に並べた状態です。緑のガラスが鮮明です。

ステンドグラス「人魚姫」 右から2番めのパネル

ステンドグラス「人魚姫」 右から2番めのパネル

パネルは1枚が89cmx136cmと大きいので、中央縦方向に補強の真鍮棒を通しています。リブ構造とも言います。これで、静的には強度が増しますし、動的には共振周波数を上げる効果があり、耐震性も向上します。最近地震が多いので、念のために入れます。

周囲と中央に真鍮の補強材があります

パネルの裏側です。周囲と中央に真鍮の補強材があります

下の写真は3枚目(一番左側)です。台紙上に並べて、これから組み立てです。

3枚目のパネル

3枚目のパネル

 

ステンドグラス「人魚姫」は、組み立て開始

大判のステンドグラス「人魚姫」は、2馬力(二人体制)で制作しています。ガラスをカットする傍ら、作業者Bが、コパーテープ(銅テープ)を巻いています。

人魚姫のコパーテープ巻き

人魚姫のステンドグラスは、ガラスピースにコパーテープ巻き

コパーテープを巻き終えたガラスピース

コパーテープを巻き終えたガラスピースたち

組立作業前に、
今回のパネルの幅が作業台より大きいので、作業台を15cm幅で拡張工事しておきます。

ありあわせの板をネジ止めして作業台の拡張

ありあわせの板をサイドにネジ止めして作業台の拡張

コパーテープを巻き終えたピースは、最終段階=組み立て用の台紙の上に並べていきます。

ガラスピースを台紙の上に並べていきます

ガラスピースを台紙の上に並べていきます。全体像がどの様になるのかワクワクします。

全部並び終えました。4連作の一番右のパネルです

全ピース並び終えました。4連作の一番右に位置するパネルです。カラフルで綺麗です。

早速ハンダ付けを開始。

ハンダ付け作業開始

ハンダ付け作業開始

パネルが大きいので、ハンダは多めに盛ります

パネルが大きいので、ハンダは多めに盛ります

パネルが大きく強度も必要なので、ガラスとガラスの間は1mmほど空けて、ハンダを多めに流し込みます。

ステンドグラス「人魚姫」では、フュージングガラスタイルを作っています

大判のステンドグラス「人魚姫」では、タイル状のピースが白から青にグラデーションで並ぶ部分があります。11ピースなので11階調となるのですが、市販のガラスで11階調を揃えるのはまず不可能なので、フュージングで作ることにしました。

母材はクリアの板ガラスです。この上に、粉ガラスを載せて焼成します。まず、オパールセントの白をフルイでまんべんなく載せ、電気窯で焼成します。次に、ブルーの粉ガラスをグラデーションを付けながら載せます。

板ガラスの上にオパールセントガラスの粉(白と青)をふるいで載せて、色ガラスを作ります

板ガラスの上にオパールセントガラスの粉(白と青)をふるいで載せて、色ガラスを作ります

焼成すると鮮やかな青が出ます

焼成すると鮮やかな青が出ます

このあと、色に深みを出すため、透明の青のフリットを載せ、焼成します。焼成は都合3回です。

焼成後、型紙に合わせて、カットします。

出来上がったグラデーションタイル

出来上がったグラデーションタイル。長方形と円の2種類です

他にも、白の板ガラスや、イリデセントのガラスをカットしています。カット作業も終盤です。

白ガラスのカット

白ガラスは、人魚姫のボディーになります

イリデセントガラス

ほのかに虹色に輝くイリデセントガラス(写真ではわかりにくいです)

大判ステンドグラス「人魚姫」は青系ガラスのカット中

大判のオーダーメイドステンドグラスは、暖色系ガラスのカットが終わり、青、緑系に入っています。

青のオパールセントガラス

各色、元版の1/2程度を要して、ガラスの大量消費です。

ピースは大きめなので、失敗しないように細心の注意をはらいます

切り終わったらすぐにルーター(グラインダー)を掛けて、エッジを丸めておきます

毎日、2馬力(2名体制)で制作を続けています。

緑のガラスもストリーキーで綺麗です

緑のガラスもストリーキーで綺麗です

これは黄緑。緑だけでも4種類あり、工房がガラス見本市のようです

大判ステンドグラス「人魚姫」はガラスカット開始

人魚姫のステンドグラスは全20色のガラスを使う夢のようなカラフルな作品です。暖色系ガラスが届き、いよいよガラスカットが始まりました。

レッドのオパールセントガラスに型紙を並べています

レッドのオパールセントガラスに型紙を並べています

こちらはオレンジ色のガラス

こちらはオレンジ色のガラス

型紙の外周を油性マジックでガラスに写し取っていきます。

いよいよカット開始。まずは粗切りです。

いよいよカット開始。まずは板を数片に分割する粗切りです。

切ったガラスの管理

切ったガラスの管理は専用コンテナで

今回、窓作品にオパールセントを使うので、比較的透け感があるガラスを選定しています。

大判ステンドグラス「人魚姫」はガラス選定中

大判ステンドグラス「人魚姫」の型紙のピースを切り分けて、約20種類あるガラスごとにまとめます。次に、型紙をテーブル上に並べて各色のガラスの必要面積を測定します。

ガラス1

このテーブルは上下幅が60cmですので、1色1色の面積がかなり多く必要なことがわかります。

ガラス2

ガラス3

ガラス4

大判のステンドグラス「人魚姫」型紙制作中

4枚組で、組み合わせたときの横の長さが3.6mx縦が1.4mになる、大判のステンドグラスに取り掛かっています。3人の人魚がデザインの中心です。

1枚あたり横89cmx縦136cmあり、型紙の制作も2段階です。まず、1/4サイズの型紙を作ります。ここには色もつけて、配色原紙の役割もします。

ステンドグラス「人魚姫」の1/4サイズ型紙

ステンドグラス「人魚姫」の1/4サイズ型紙

次にこの原紙を4倍に拡大コピーして、原寸大型紙を作ります。2枚つくり、1枚はガラスカット用、もう一枚は組立時の台紙に使います。

89cmx136xmの巨大な原寸型紙

89cmx136xmの巨大な原寸型紙

拡大コピーするとコピー機の癖で若干歪むので、周囲の線はmm単位で補正します。次に、各ピースに切り分けて、色ごとの仕入れ面積を見積もります。

型紙をピースに切り分け中

ガラスの色ごとにピースを分類します

ガラスの色ごとにピースを分類します

会津磐梯山のステンドグラスは組み立て中

2枚一組で横に150cmほどある大型のオーダーメイド・ステンドグラス「秋の磐梯山」を制作しています。現在、組み立て中です。コパーテープを貼り終えた全ピースを台紙の上に並べると、初めて作品の全容が見えてきます。まず右側のパネルから仕上げます。

会津磐梯山のステンドグラスは、組み立て前のジグソーパズルです

会津磐梯山のステンドグラスは、組み立て前のジグソーパズルです

全体的にオークル系のガラスが占めていて、落ち着いたトーンです。

ハンダ作業中

ハンダ作業中

次に左側のパネルです。山塊が中央を占めて、下部は黄金色の稲穂です。

左側のパネルも、ピースを敷き詰め終えました

左側のパネルも、ピースを敷き詰め終えました

ゴールが見えてきました。