学生時代の友人夫妻が韓国から来房

大学時代の研究室の同期、黄さん夫妻が工房に遊びに来てくれました。実に36年ぶりの再開です。当時の黄さんは韓国からの留学生で、大学院を含めた3年間ともにロボット工学の研究をした仲です。黃さんはDr.学位取得後、韓国に戻り釜慶大学の教授をしていました。今回、定年を期に日本旅行に来ていたそうで、よく茨城の田舎まで足を伸ばしてくれたものです。

昔と変わらず若々しい黄さん夫妻

昔と変わらず若々しい黄さん夫妻、桃の花の前で

早速、ステンドグラスの体験をやってもらいました。小さな鏡の制作です。

奥様に銅テープ針の説明中

奥様に銅テープの貼り方の説明中

主に奥様が制作しました。お二人共、日本語が堪能で、教えるのは楽でした。

組立作業開始

ハンダ作業中

1時間ほどで無事完成。このあと、近くを散歩しました。夕飯も食べていってもらい、宿泊先の横浜に帰っていきました。

積極的に連絡を取ってくれて、貴重な再会が実現しました。ありがとうございました。

 

フュージング画の額を制作

フュージング画の最大のサイズ82cmx47cmに合わせた木製の額を3個作りました。オーダーメイドのフュージング画では額にお入れして納品することが多いです。

フュージング画の木製額の制作。構造は油絵額などと同じです。

松の垂木を利用します。トリマーで段付け加工と、角のボーズ加工(R付け)をして、接着と木ネジで組み立てます。

塗装はオイルステインと透明ニス

塗装はオイルステインと透明ニス

塗装は、着色剤(オイルステイン)とニス3回塗りです。

ガラスの固定は、木ネジとシリコンシーラント

ガラスの固定は、木ネジとシリコンシーラント。写真ではシリコン充填前のマスキング状態。

作品は、弾力性のあるシリコンシーラントでフローティングして固定します。

フュージング画「月虹」の制作は終盤

大型の無鉛ステンドグラス(フュージング画)「月虹」は制作も終盤です。夜空の暗いブルーの絵付けをしています。

夜空の部分にオパールセント黒のパウダーを撒きます

黒いガラスは光を通さないので、掛け過ぎや掛けむらが禁物です。このガラスパウダーを茶こしで夜空にまんべんなく掛けます。

焼成後、暗い夜空ができました

焼成後、暗い夜空ができました

空が暗くなると、相対的に虹がビビッドになります。海も少し明るすぎです。改良を加えましょう。

オーダーメイドフュージング画「月虹」制作開始

フュージング画(無鉛ステンドグラス)「月虹」の制作を開始しました。サイズは、窯の最大サイズである82cmx47cmです。月虹は月の光でできる淡い虹のことですが、今回はこの自然現象を絵にしたのではなく、虹と満月を同一画面に配した創作風景です。

フュージング画「月虹」の制作初期段階
雲、満月、海の描きこみです

今回のご依頼では、満月と虹と海が必須ですので、まずそのへんからガラスパウダーで絵付けしていきました。

虹の部分は7色のガラスパウダーを使いました

虹の部分は7色のガラスパウダーを使いました
この写真は焼成直前です

きれいに虹ができました

きれいに虹ができました
ちょっと綺麗すぎますね

このあと、夜空の濃ブルーと、波に映る虹の色を描きこんでいく予定です

オーダーメイド・フュージング画「室堂」制作後半

大判のフュージング画「室堂」ですが、焼成回数6回を越え、後半戦です。ここからはあまり多くのフリットは載せず、全体のバランスを見て薄く載せていきます。また、境界線がはっきりしていた色の境目を少しぼかす目的で、色を混ぜていきます。これにより、複雑な点描画的効果が出ます。

フュージング画「室堂」の画作りも後半戦

フュージング画「室堂」の画作りも後半戦

具体的には、雪の山並みに陰影をつけ、草紅葉の合間にも緑を入れたりして、自然のリアルな風景に近づけていきます。あと数回の焼成で終わります。

オーダーメイド・フュージング画「室堂」制作開始

フュージング画(無鉛ステンドグラス)で、立山の麓「室堂」の風景画を制作しています。立山連峰の登り口で、黒部ダムからも近い観光地です。実は私は行ったことがありませんが、お客様からのたっての希望で制作しています。立山連峰の右端、雄山から遠く劔岳までをすべて画面内に収めるため、本物の風景とは若干異なります。
サイズは、電気窯に入る最大サイズで、横82cmx縦47cmです。

1回目の焼成直後

1回目の焼成直後
白い山肌をオパールセントのガラスパウダーで表現しています

焼成回数は10回を予定しています。室堂の初秋、草紅葉の紅葉を描きます。

2回目の焼成は、丘の緑と山肌の白

2回目の焼成は、丘の緑と山肌の白

山以外の部分はトランスペアレントのガラスフリットを使います。

3回目の焼成は、空の夕焼けと草紅葉

3回目の焼成は、空の夕焼けと草紅葉。中央の青はミクリガ池。

 

全体のバランスを見ながら、少しずつ色を載せていきます。

4回目の焼成は、丘の緑(ハイマツ)と紅葉のバランス

4回目の焼成は、丘の緑(ハイマツ)と紅葉のバランス

山がくっきりしてきました。

縦長ステンドグラス「バラ」は組み立て段階

今年最初のオーダーメイド・ステンドグラス「バラ」は、いよいよ組み立てです。作品の全容が明らかになります。

台紙の上にすべてのピースを並べていきます

台紙の上にすべてのピースを並べていきます
楽しい瞬間です

組立用台紙の上にピースを並べていくと、デザイン画でイメージしていた絵が現物のガラスで出現します。

コパーテープ部分にペーストを塗り、ハンダ付けしていきます

コパーテープ部分にペーストを塗り、ハンダ付けしていきます

ハンダが終わったらすぐに洗浄して、磨き上げます

ハンダが終わったらすぐに洗浄して、磨き上げます

半田終了後、中性洗剤で洗浄し、次にハンダ部分を黒染めします。乾いたら防錆ワックスを塗布して完成です。
納品間近です。

縦長ステンドグラス「バラ」はカット終了

縦91cmの縦長のステンドグラスを作っています。新築の玄関に入るそうです。ガラスカットも終盤です。

背景のガラスは、白地に淡いアンバーのオパールセントガラス

背景のガラスは、白地に淡いアンバーのオパールセントガラス

ガラスカットが終わると、カット断面をルーター(グラインダー)で研磨します。そうすると、この後のコパーテープの付きが良くなります。

ルーターで切断面を軽く研磨します。

回転砥石のルーターで切断面を軽く研磨します。

研磨が終わり、次の工程を待つガラスピースたち

研磨が終わり、次の工程を待つガラスピースたち

いよいよ制作も後半戦、コパー(銅)テープ巻です。裏に糊の付いたコパーテープで切断面を包みます。

コパーテープで断面を包み、ヘラで押し付けます

コパーテープで断面を包み、ヘラで押し付けます

テープ巻きが終わった薔薇の花のピース

テープ巻きが終わった後の薔薇の花のピース

ステンドグラスパネル「バラ」制作開始

縦長のステンドグラスをオーダーメイドでお作りしています。玄関用のステンドだそうです。柄は四季を通じて違和感のないバラです。花は赤と黄色の2色です。

バラのステンドグラスの型紙

バラのステンドグラスの型紙

型紙は、組立用の台紙と、カット用です。今年1回目のガラスの仕入れも終わり、花の部分からガラスカットに入りました。

仕入れたばかりの黄色、赤、青のオパールセントガラス

黄色、赤、青のオパールセントガラス

今年最初のカットですストリーキー(流れ模様)が美しいガラスです

今年最初のカットです
ストリーキー(流れ模様)が美しいガラスです

無鉛ステンドグラス「アイリス」は輪郭線の描きこみ中

横82cmの大判の無鉛ステンドグラス(フュージング画)の自主制作が続いております。色ガラスの焼成が終わり、仕上げの輪郭線です。この線はグリザイユという伝統的なステンドグラス用の顔料で描き、最後に焼成します。

無鉛ステンドグラス「アイリス」輪郭線描き

無鉛ステンドグラス「アイリス」輪郭線描き

無鉛ステンドグラスではこの線描きをしないことも多いのですが、今回は「ステンドグラス」らしい輪郭を描くバージョンです。

ライトボックスの上で線描き

ライトボックスの上で線描き

ポイントとしては、できるだけ濃く、できるだけ細くです。ラファエルの細いトレーサーという筆を使って、水溶きグリザイユで線描きします。