ここのところ、ずっと水墨画の道具が出っ放しで、墨で絵を描いています。ステンドグラスの原画を描いています。
水墨画(特に没骨法)は、日本の伝統的な画法の中では、少し特異です。なぜかと言うと、基本的には輪郭を描かないからです。いきなり面で描いて、それで終わりです。細筆で、細い枝も描きますが、決して輪郭を描いているわけでは有りません。それに対し、一般的な日本画は、輪郭を描きます。版画もそうです。
輪郭を描かないということは、直感的であり、慣れてくるとこれ以上楽で速い画法は有りません。対照的に、われわれが鉛筆でスケッチをする場合、頭の中ではまず「面」を思い浮かべます。次にその面の周囲の輪郭を抽出し、はじめて腕が動きます。しかし、鉛筆を走らせている間に、当初頭に在った「面」がぼやけてきて、形を狂わせ始めます。それを必死に堪えて、鉛筆画は描かれます。なんて苦労の多い画法でしょう。
水墨画で面倒なのは、道具の手入れです。これが端折れれば、ステンドグラスやフュージング画の原画は、これ一本で描き続けたいです。
今、「桜」のステンドグラスの原画を描いています。少しあっさり目、そして花を花弁の集合体で捕らえる程度の視点で描いています。
実際にガラスを切る段階では、1枚1枚の花弁ではきりません。とても重たい印象の画面になってしまうからです。輪郭の金属線の無いフュージング画の場合は、それができますが。
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