椅子の改造

ステンドグラス制作の合間に、家具の改造。

普段ダイニングで使っている椅子の小改造をしました。

もともと、テーブルと椅子4脚セットで5,000円の中古品。特に椅子は作りも悪く、修繕を繰り返してきました。ホゾが抜けるので、叩き込んでねじ止めしたり、座面のクロスも2度張り替えました。

改造前の椅子

改造前の椅子、クロスはベージュの合皮

今回は、家族のリクエストで、座面を木にしました。ただし、1脚だけ。木を買ってきて、切って、ねじ止めして、着色して、ニス塗布で出来上がり。

改造後

改造後 座面は木になりました

曲線的な背もたれと、直線的な座面がアンバランスですが、今回は座り心地重視ということで、良しとしました。依頼者曰く、硬く平らな方が良いということですので。木の色は、時間がたつと飴色にくすんでくるので、最初は薄めに着色しておきました。

フュージング画の制作は、自主制作品を淡々と進めています。うしく現代美術展に出展するものです。

フュージング画の自主制作

フュージング画の自主制作

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ステンドグラス「綿津見」はもらわれていきました

2月に制作したステンドグラス「海神=ワタツミ」は、木箱に詰められ、施主さんの元に嫁入りしました。

(可愛がられるんだよ...)

ステンドグラスを安全に送るための木箱

ステンドグラスを安全に送るための木箱

この木箱も、結構きれいなので、本当は再利用したいのですが、戻ってきたことはありません。当たりまえか...

当工房では、ステンドグラス教室も開いていますが、先達て生徒さんの作品が1個完成しました。グースネックのランプですが、モノトーンのシェードがシンプルで美しいです。モールドも100円ショップのプラスチック容器に紙粘土を貼り付けて自作したものです。

生徒さんの作ったステンドグラスランプ

生徒さんの作ったステンドグラスランプ

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ガラス・フュージングで大量の猫のお皿を作りました

今まで主に自主制作で、フュージング画のパネルを作ってきましたが、その作品を、時々うちに来て下さるお客様が、(当初は購入目的でないのに)気分で購入してくださることがあります。その売れ筋と言ってはオコガマしいですが、よく買ってくださるシリーズに、「悪のり猫」シリーズがあります。最初にステンドグラスで悪のり猫を作ったのが2002年ですから、かれこれ12年も続くシリーズです。

特徴は、何かしらの職業(主に職人)に就いていて、それでいて気が入っていない、黄色い目の猫です。「悪のり」というのは、猫自身ではなく、私が悪のりで作っているという意味です。肩の力が抜けているので、私が言うのも変ですが、楽しい作品です。

今回、大小5枚のフュージング画絵皿で、悪のりを作りました。

焼成前の悪のり猫

焼成前の悪のり猫。グリザイユで輪郭が描いてあるので、最終工程に近い焼成。

ガラスのお皿?良くあるやつね!と思われるかもしれませんが、作るのに、かなりの手間と時間がかかります。

焼成の回数によって、工程を箇条書きにすると以下の通りです。

<焼成1回目>ベースになる透明のガラスと、ブルーのガラスを寸法に切って、窯の中に入れ、フュージングで結合します。

<焼成2回目>裏返して、もう一度焼き、結合の境目を、完全に無くします。

<焼成3回目>猫の身体と、主だったパーツの部分に、白いオパールセントガラスの粉を盛って、焼き付けます。

<焼成4回目>もう一度白ガラスを盛って、高さを増します。

<焼成5回目>紫色やブルーの部分に、粉ガラスを盛って、焼き付けます。

<焼成6回目>猫や、パーツの輪郭を、水溶きグリザイユ(専用の黒い顔料)で描き、焼き付けます。

<焼成7回目>猫の影の部分にグリザイユで、影を描きこみ、バジャーブラシでぼかします。そのあと焼き付け。

<焼成8回目>お皿の形のカーブを持ったセラミック製の型に載せて、全体を曲げます。

以上で完成です。焼成は1回8時間かかりますし、冷えるまで半日かかりますので、とても気の長い仕事です。この作業のために、絵柄に合わせたマスクなど作らなければいけないので、作業は多岐にわたります。それ以前に、デザインもありますし。

こうしてできた力作5点をご覧ください。

猫のパン屋

猫のパン屋。ふざけて一人バイオリンを弾いています。大きさは36x26cm

猫の書記官

猫の書記官。まったくやる気がありません。大きさは36x26cm

猫のパティシエ

猫のパティシエ。珍しく仕事をしています。大きさは27x19cm

猫の農夫

猫の農夫。蝶々と戯れています。大きさ26x19cm

猫の釣り

猫の釣り。やる気がありません。大きさ26x19cm

今回、写真撮影用のミニセットも作りました。大きなラシャ紙を3種類買ってきて、背後に敷いています。

猫の次のフュージング画絵皿と、オブジェも、もっか制作中です。

フュージング画のお皿とオブジェ

フュージング画のお皿とオブジェ。焼成直前。

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ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その16)」 「ギリシャ神話」

ステンドグラスに興味を持ち、初めてそれらしいモノを作ったのは高校生のときでした。黒く塗ったボール紙にカッターナイフで孔を開け、そこに色セロファンを貼って作りました。題材はギリシャ神話です。一枚は、英雄イアーソーンが金毛の羊皮を取りに行く冒険物語の一場面、もう一枚は、テーセウスが牛頭人身のミーノータウロスと戦っている場面です。前者はクラシックなストップモーションの映画を観て、後者は当時の愛読書・高津春繁著「ギリシャ神話」の挿絵に惹かれて作りました。
ギリシャ神話は日本の神話に共通するところが多く、カオスから始まる神々の系譜や、後世の貴族たちが英雄や神々を祖先として祀った点などは、記紀にも多く見られます。しかし日本と違うのは、ギリシャを旅した時実感したのですが、太古の神々を祀り崇める現役の施設も人も、今や無い、ということです(地方ではほそぼそと残っているかもしれませんが)。現在は国教ギリシャ正教を主とした完全なキリスト教国になっています。多くの神社や神話上の神神が今なお息づいている日本や、東南アジアの多神教国に比べると、実にさばさばした見捨てぶりです。
あのセロファンのステンドグラスから二十年以上経って、本物のガラスでギリシャ神話を描く機会に恵まれました。当時は英雄伝説にあこがれていましたが、今回はもう少しロマンチックな題材を選びました。出典は『アイティオピス』という叙事詩で、粗筋は、次のとおりです。アマゾーンの女王ペンテシレイア率いるアマゾーン軍は、トロイエー軍の援軍として敵対するアキレウスと戦っていました。が、ついにペンテシレイアはアキレウスに胸を刺されて討たれます。アキレウスは、死にぎわの女王の顔があまりにも美しかったので、一瞬で恋におちます。当時の英雄は、簡単に恋に落ちるんですよね。

 題名:「アキレウスとペンテシレイア」、サイズ:直径50cm


題名:「アキレウスとペンテシレイア」、サイズ:ステンドグラス部の直径50cm

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