直径40cmのステンドグラス「藤」は組み立て段階に入りました。
コパーテープを巻き終えたピースを台紙上に並べ、ハンダ付けします。
藤の花は濃淡2色のバイオレットで、綺麗です。今回は、葉の部分はアンティークガラスのグリーンです。微妙に色の異なる数種類の緑です。
テープを巻いた翌日に早速ハンダ付けです。時間を置くと酸化してきれいにハンダができません。
まもなく完成です。
4枚一組のステンドグラス「人魚姫」を自家用車に積んで、山形県まで納品してきました。自車での納品は原則的にはしないのですが、今回はサイズが大きいのと、日帰り圏内ということもあり、例外的に行ってきました。
前日に、マイカーに搬出専用木箱を仕込みます。この木箱、数年に1度くらいしか活躍しないし場所も取るのですが、自家用車ぴったりサイズに作ってあり、欠かせない設備です。この木箱にステンドを入れます。
茨城県龍ケ崎市の工房から山形県S市まで高速で約5時間。渋滞もなく快適でした。私の古ナビには無い新しい「東北中央道」も体験できました。
私は高所恐怖症なので、大工さんに設置してもらいました。「段取り8部」といいますが、実際、事前の段取りも良く1時間半で設置完了しました。大工さんに感謝です。
施主様宅も広くモダンで、ステンドがとても映える素敵なおうちでした。
帰りにS市内の日帰り温泉で汗を流し、5時間かけて帰りました。
オーダーメイドの幅82cmx縦47cmの無鉛ステンドグラス(フュージング画)「女神のみそぎ」は制作がスタートしました。デザインのテーマは、木花咲耶姫が水辺で禊をするシーンです。依頼主様からは「雪山、桜、ブルースカイに白い雲」というお題をいただきましたが、桜に合わせて女神も付加してご提案しました。
原寸大の型紙の上に、フュージング用の板ガラスを置いて、様々な色のガラスフリットを載せて、焼成していきます。
最初は、クリアの板ガラス上に白いガラスパウダーをマスクを使って載せ、雪山や女神の輪郭を作ります。これを一旦焼成して定着させます。この後、様々な色ガラスのパウダーやフリットを載せ、重ね焼していきます。
桜のピンクや、緑、ブルーのフリットを載せて2回目の焼成です。
大判のオーダーメイドステンドグラス「人魚姫」は、4枚組ですが、2枚が組み立て完了し、3枚目に入っています。
下の写真は2枚目(右から2番め)のパネルです。台紙上に並べた状態です。緑のガラスが鮮明です。
パネルは1枚が89cmx136cmと大きいので、中央縦方向に補強の真鍮棒を通しています。リブ構造とも言います。これで、静的には強度が増しますし、動的には共振周波数を上げる効果があり、耐震性も向上します。最近地震が多いので、念のために入れます。
下の写真は3枚目(一番左側)です。台紙上に並べて、これから組み立てです。
大判のステンドグラス「人魚姫」は、2馬力(二人体制)で制作しています。ガラスをカットする傍ら、作業者Bが、コパーテープ(銅テープ)を巻いています。
組立作業前に、
今回のパネルの幅が作業台より大きいので、作業台を15cm幅で拡張工事しておきます。
コパーテープを巻き終えたピースは、最終段階=組み立て用の台紙の上に並べていきます。
早速ハンダ付けを開始。
パネルが大きく強度も必要なので、ガラスとガラスの間は1mmほど空けて、ハンダを多めに流し込みます。
大判のステンドグラス「人魚姫」では、タイル状のピースが白から青にグラデーションで並ぶ部分があります。11ピースなので11階調となるのですが、市販のガラスで11階調を揃えるのはまず不可能なので、フュージングで作ることにしました。
母材はクリアの板ガラスです。この上に、粉ガラスを載せて焼成します。まず、オパールセントの白をフルイでまんべんなく載せ、電気窯で焼成します。次に、ブルーの粉ガラスをグラデーションを付けながら載せます。
このあと、色に深みを出すため、透明の青のフリットを載せ、焼成します。焼成は都合3回です。
焼成後、型紙に合わせて、カットします。
他にも、白の板ガラスや、イリデセントのガラスをカットしています。カット作業も終盤です。