第16回 ’24日本のガラス展に行ってきました

前回(3年前)から、ガラス工芸協会(JGAA)主催の同ガラス展に出品しています。
今回の「第16回 ’24日本のガラス展」にもフュージング画1点を出品しています。今日は、会場当番に行ってきました。7月の丸善日本橋店に続き、東京での出品が続いています。それでも、茨城から代官山の会場まで出ていくのは大変です。

会期:2024年10月1日~6日
場所:代官山ヒルサイドテラスF棟

おしゃれな街、渋谷区代官山のヒルサイドテラスF棟が会場です

展覧会のポスター

展覧会のポスター

今日は小雨でムシムシします。この展覧会は3年に一度開かれ、全国的にも大きなガラスアート専門の展覧会です。一人1点で全82点が展示されています。技法も様々です。

会場は数部屋に分かれていて、ゆったり見られます

会場は数部屋に分かれていて、ゆったり見られます

他の展示室

他の展示室

私の作品は、比較的小さな展示室でした。

私の作品が展示してある部屋

私の作品が展示してある部屋

フュージング画「神域」福田勝司作

フュージング画「神域」 横45cmx縦73cmx厚5mm
福田勝司作

この作品は、昨年秋に訪れた三峯神社(秩父市)の境内をモチーフにしています。透明と白とオレンジのガラスを主に使っています。

会場当番をしていると他の作家さんやガラス愛好家の方々とお話ができて、刺激になります。自宅近くの取手市に有る東京芸大の関係者もいて、茨城ネタでも盛り上がりました。

無鉛ステンドグラス(フュージング画)「瓜売り」制作開始

「水上マーケットで瓜(ウリ)を売る少女」という画題で絵を描き、フュージング画にしています。今回は自主制作ですので、色とりどりの夢の世界のような画作りにしています。モチーフは具体的にあるわけではなく、川か湖の岸に立ち並ぶ高床式住居と小舟で瓜を運ぶ少女を絵にしてみました。

フュージング画「瓜売り」の原画作成風景

原画の時点でかなりメルヘンチックです。

ガラスのサイズは46cmx77cmで、大判です。

1回目のガラスフリット載せ

ベースガラス上にカラフルなガラスフリット(砂粒のようなガラス粒)をスプーンで載せていきます。これを電気窯で焼成し、さらにフリットを載せて焼成します。

フリット載せ2回目です

納得の行く絵になるまで、この作業を繰り返します。1回のフリット載せと焼成で約2日かかります。

フュージング画「海」は絵付け段階です

フュージング画は、別名「無鉛ステンドグラス」とも読んでいますので、鉛やハンダ線に代わる輪郭を描くことが多いです。輪郭の画材は伝統的なステンドグラス用の顔料・グリザイユです。熱にも強く、焼き付けるとしっかりガラスに食い込むので剥がれません。

輪郭を描いて焼成後、冷めたら陰影を描きます。この画材もグリザイユですが、刷毛で薄く伸ばしながら塗るのが特徴です。

グリザイユで陰影を描いています。下にはライトボックスを置いています

大きなバジャーという刷毛で、撫でるようにして伸ばしていくと同時に刷毛むらを消していきます。

グリザイユを重ね塗りするためには、一旦635℃で焼成します。こうして定着させたあと再度陰影などを重ね塗りします。

焼成前の作品

焼成前の作品

 

フュージング画「海」の制作開始

縦80cmの大判オーダーメイドのフュージング画「海」の制作が始まりました。ベースガラスの上にガラスフリットで色付する、いつものスタイルです。

海の中をモチーフにしているので、ブルーのガラス主体です

海の中をモチーフにしているので、ブルーのガラス主体です

わりと大雑把に、ガラスの上にスプーンでガラスフリット(ガラス粒)を置いていきます。

電気窯に入れて焼成する直前

電気窯に入れて焼成する直前

多くのガラスが、焼成後に発色するので、焼成前は見た目が白っぽいです。

1回目の焼成が終わり、いろいろな色がはっきりしています

1回目の焼成が終わり、いろいろな色がはっきりしています

2024年JGAA「夏のガラス展」始まる

日本ガラス工芸協会(JGAA)の選抜9名による「夏のガラス展」が丸善日本橋店で始まりました。私も悪ノリ猫シリーズのフュージング画11点を出品しています。私以外には、切子、サンドブラスト、キルンワークなどの作家が出展しています。

会場:丸善日本橋店(東京都中央区日本橋2-3-10)
会期:24年7月24日~30日

今日の日本橋も35℃を超える猛暑です。

 

真夏の日本橋丸善 入口

夏のガラス展’24のポスター

夏のガラス展’24のポスター

ギャラリー入口を飾る悪ノリ猫のフュージング画

ギャラリー入口を飾る悪ノリ猫のフュージング画

福田の展示コーナー。悪ノリ猫のパネル、ランプ、絵皿

福田の展示コーナー。悪ノリ猫のパネル、家型ランプ、絵皿、全11点

ギャラリー全景

ギャラリー全景

7月28日には小学生時代の恩師が来てくださいました。

小学校時代の恩師マッコウ先生 ご来展。お若いです。私より15歳ほどうえですが、現役の小学校の先生。

小学校時代の恩師マッコウ先生 ご来展。
お若いです。私より15歳ほどうえですが、現役の小学校の先生。

黒いフュージング画の制作

フュージング画といえば、これまではクリアの板ガラスをベース板にしてきましたが、今回始めて黒色のベース板を用いました。ブルザイのBUF0100です。夜の風景なので、黒が最適です。

満月の描きこみ

水墨画の原画を見ながら満月の描きこみ

まず画面の上部(写真では下)には、黒雲を従えた満月です。以前、中秋の名月を水墨画で描いていましたので、これをお手本にしました。白や黒のガラスパウダーで描いています。

桜の花はピンクのパウダーで

桜の花はピンクのパウダーで

月の光で輝く桜は、ピンクのガラスパウダーで丹念に描きました。

電気釜で焼成

電気釜で焼成

焼成は10回弱行いました。秋の展覧会(うしく現代美術展)に出品する予定です。

無鉛ステンドグラス(フュージング画)「女神のみそぎ」は5回目の焼成

無鉛ステンドグラス=フュージング画は、ガラスフリット(ザラメ状のガラスの粒)を載せ→焼成→冷ます→ガラスフリットを載せ、の繰り返しです。今回は5回目の焼成ですが、段々と仕上がりが近づき、微調整の段階です。ですので、1回に載せるフリットの量も少なくなります。

下の写真は4回めの焼成の直前です。

手前の山並みのところに紫のガラスフリットを載せています

手前の山並みのところに紫のガラスフリットを載せています

下は5回めの直前です。空のブルーも重ね焼きで濃くなり、女神も白一色から多色になります。白ぽく見えるところは、新たにフリットを載せた場所です。

5回目は、桜の花と、女神の微妙な色付け

5回目は、桜の花と、女神の微妙な色付け

 

無鉛ステンドグラス(フュージング画)「女神のみそぎ」制作開始

オーダーメイドの幅82cmx縦47cmの無鉛ステンドグラス(フュージング画)「女神のみそぎ」は制作がスタートしました。デザインのテーマは、木花咲耶姫が水辺で禊をするシーンです。依頼主様からは「雪山、桜、ブルースカイに白い雲」というお題をいただきましたが、桜に合わせて女神も付加してご提案しました。

原寸大の型紙の上に、フュージング用の板ガラスを置いて、様々な色のガラスフリットを載せて、焼成していきます。

原画を拡大コピーした原寸大の型紙

原画を拡大コピーした原寸大の型紙

最初は、クリアの板ガラス上に白いガラスパウダーをマスクを使って載せ、雪山や女神の輪郭を作ります。これを一旦焼成して定着させます。この後、様々な色ガラスのパウダーやフリットを載せ、重ね焼していきます。

白パウダーガラスの焼成

白パウダーガラスの焼成

桜のピンクや、緑、ブルーのフリットを載せて2回目の焼成です。

黄緑色のガラスフリットを載せています

黄緑色のガラスフリットを載せています

焼成2回目の直前の様子

焼成2回目の直前の様子。なんとなく絵になってきました。

第28回 うしく現代美術展開催中

もう10年以上参加している「うしく現代美術展」の第28回展が、2023年11月19日から始まっています。今年も60名近い近隣作家が出品し、私もフュージング画の作品1点を展示しています。

第28回うしく現代美術展始まる

第28回うしく現代美術展始まる

フュージング画「旧商家」

フュージング画「旧商家」

前回までコロナ禍で変則的な開催でしたが、今回から平常に戻っています。18日は開会式と内覧会、親睦会が行われ、多数の方にお越しいただきました。

うしく現代美術展・内覧会の様子

うしく現代美術展・内覧会の様子

うしく現代美術展の目玉の一つが学校鑑賞会です。市内の小学校6年生が授業の一環として見に来ます。私はこの触れ合いが一番好きです。男の子は主に技術面、女の子は「きれい」の追求の仕方を質問してきます。

学校鑑賞会で子どもたちに作品について説明する福田

学校鑑賞会で子どもたちに作品について説明する福田

学校間紹介の終わりの会

学校間紹介の終わりの会

会期は12月3日まで。来年も良い作品を出品したいです。

無縁ステンドグラス(フュージング画)の額を作っています

無縁ステンドグラス(フュージング画)の額は、ガラスに合わせて自前で作っています。なるべくガラスの縁を露出したいので、上下2辺だけでガラスを受けています。

木材

額用の角材にニスを塗っているとこ

4隅はホゾで結合しています。ジグソーという便利な電動ノコがあるので、ほぞ穴も楽に作れます。

額に入った作品

額に入った作品

額は作品の添え物ですので、控えめの色とデザインです。