オーダーメイド・フュージング画「室堂」制作開始

フュージング画(無鉛ステンドグラス)で、立山の麓「室堂」の風景画を制作しています。立山連峰の登り口で、黒部ダムからも近い観光地です。実は私は行ったことがありませんが、お客様からのたっての希望で制作しています。立山連峰の右端、雄山から遠く劔岳までをすべて画面内に収めるため、本物の風景とは若干異なります。
サイズは、電気窯に入る最大サイズで、横82cmx縦47cmです。

1回目の焼成直後

1回目の焼成直後
白い山肌をオパールセントのガラスパウダーで表現しています

焼成回数は10回を予定しています。室堂の初秋、草紅葉の紅葉を描きます。

2回目の焼成は、丘の緑と山肌の白

2回目の焼成は、丘の緑と山肌の白

山以外の部分はトランスペアレントのガラスフリットを使います。

3回目の焼成は、空の夕焼けと草紅葉

3回目の焼成は、空の夕焼けと草紅葉。中央の青はミクリガ池。

 

全体のバランスを見ながら、少しずつ色を載せていきます。

4回目の焼成は、丘の緑(ハイマツ)と紅葉のバランス

4回目の焼成は、丘の緑(ハイマツ)と紅葉のバランス

山がくっきりしてきました。

無鉛ステンドグラス「アイリス」は輪郭線の描きこみ中

横82cmの大判の無鉛ステンドグラス(フュージング画)の自主制作が続いております。色ガラスの焼成が終わり、仕上げの輪郭線です。この線はグリザイユという伝統的なステンドグラス用の顔料で描き、最後に焼成します。

無鉛ステンドグラス「アイリス」輪郭線描き

無鉛ステンドグラス「アイリス」輪郭線描き

無鉛ステンドグラスではこの線描きをしないことも多いのですが、今回は「ステンドグラス」らしい輪郭を描くバージョンです。

ライトボックスの上で線描き

ライトボックスの上で線描き

ポイントとしては、できるだけ濃く、できるだけ細くです。ラファエルの細いトレーサーという筆を使って、水溶きグリザイユで線描きします。

無鉛ステンドグラス「アイリス」制作開始

無鉛ステンドグラス(=フュージング画)「アイリス」は、ギリシャ神話の女神イーリスとヘーラーをモチーフにしています。イーリスは虹の化身で、植物のアイリスの語源にもなっています。画面は森の中に見えますが、地面は虹色に輝いています。二人の女神が千鳥に似た小鳥たちと遊んでいる様子です。

無鉛ステンドグラス「アイリス」の制作風景:白いガラスパウダーを載せています

無鉛ステンドグラス「アイリス」の制作風景:白いガラスパウダーを載せています

先に背景の森と虹をフリットを使って描きこんでおきます。その上から白のガラスパウダーだけで人物を半透明に描きます。

「アイリス」焼成前の白パウダー

「アイリス」
焼成前の白パウダー

第29回うしく現代美術展はじまる

今年も、うしく現代美術展の季節がやってきました。11月17日~12月1日の会期で、牛久市中央生涯学習センター内で開催されています。

第29回うしく現代美術展の開会式の様子(2024年11月16日)

第29回うしく現代美術展の開会式の様子(2024年11月16日)

第29回うしく現代美術展(2024年11月16日)関係者による内覧会

第29回うしく現代美術展(2024年11月16日)関係者による内覧会

第29回うしく現代美術展(2024年11月16日)懇親会

第29回うしく現代美術展(2024年11月16日)懇親会

私は今回もフュージング画1作を出品しています。黒ガラスをベースにした「満月」です。

第29回うしく現代美術展(2024年11月16日)私の出品作:フュージング画「満月」

第29回うしく現代美術展(2024年11月16日)
私の出品作:フュージング画「満月」

第29回うしく現代美術展(2024年11月16日)私の出品作:フュージング画「満月」(左)

第29回うしく現代美術展(2024年11月16日)
私の出品作:フュージング画「満月」(左)

今日11月27日AMには市内向台小学校の6年生による鑑賞会があり、大勢の小学生に説明をしました。楽しい1日でした。

小学生が去ったあとの静寂

小学生達が去ったあとの静寂

オーダーメイドのフュージング画「雪山」は終盤です

横82cmx縦46cmのフュージング画「雪山」は完成間近です。雪の山肌に露出している岩をブルーで表現しようと思います。ブルー用のマスクを作り、ブルーガラスのパウダーを載せていきます。濃淡が出すように、茶こしのふるいを場所によって加減します。

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フュージング画「雪山」の岩を表現するために、青のパウダーを載せます

焼成前のパウダーは白っぽいですが、焼いて定着すると透明感の有るブルーになります。

近景の枯れた立木も大正池の名物です(でした)

焼成後。近景の枯れた立木も大正池の名物です(でした)

かつて上高地の大正池には枯れた立木があり、風情があったのですが、いまはほとんど無くなってしまったらしいです。この作品の位置に実際の立木があったかどうかは定かでは有りませんが、創作物の「絵」として描きこんでおきます。

完成すると額に入ります。

木工室で額も制作中

木工室で額も制作中

フュージング画「雪山」は2回目の焼成

「雪山」は黒地に白の山並みを表現するのですが、その濃さで雪の深さと奥行きを表現します。ですので、白いパウダーを載せすぎて収拾がつかなくならないように、少なめに載せて焼成を繰り返します。

1回目の焼成前は、それでもたっぷりパウダーをかけたつもりでしたが、焼成してみると淡いです。黒地に少し白い面ができた程度です。

1回目の焼成直後です。白が結構薄いです

1回目の焼成直後です。白が結構薄いです

さて、ここからが難しいのですが、山の稜線にある複雑な線や濃淡を、マスクを駆使して描きこんでいきます。

ボール紙のマスクを細かくカットして、空いたところにパウダーを落としていきます

ボール紙のマスクを細かくカットして、これを置き、空いたところにパウダーを落とし

パウダーの落とし方にメリハリをつけることで、モノクロの模様ができてきます。

全体的に白くなっていますが、場所によって載せてある量は異なります

全体的に白くなっていますが、場所によって載せてある量は異なります

このあと2回目の焼成です。

焼成後、翌日冷めてから釜から取り出し、3回目のパウダー載せです

焼成後、翌日冷めてから釜から取り出し、3回目のパウダー載せです

フュージング画「雪山」制作開始

オーダーメイドのフュージング画(無鉛ステンドグラス)「雪山」の制作が始まりました。モデルは20年ほど前に2回行った上高地からの風景です。行ったときは夏で雪はありませんでしたが、今回はアレンジして雪山です。大正池から見た穂高連山の風景です。

今回ベースガラスは黒にしてから使用します。透明のガラスにオパールセントの黒のガラスパウダーを載せて、焼成しています。2回焼成しても真っ黒にはなりませんでした。まあ、多少光を通したほうがガラスっぽくていいかもしれません。

型紙のデザインです。便宜上色がついていますが、実際の作品はモノクロに近いです

デザイン画です。便宜上色がついていますが、実際の作品はモノクロです。

黒のガラスパウダーをふりかけて焼成したベースガラス

黒のガラスパウダーをふりかけて焼成したベースガラス。窓際に置くと、かなり透けます。

横幅82cmですので、マスクも大きなボール紙で作っています。

マスクをして、白のガラスパウダーを載せています

マスクをして、白のガラスパウダーを載せています

雪山ということで、使うガラスはほとんど白です。この白の濃淡で山並みを表現しようと思っています。

白パウダーを載せて、焼成を待つばかり

白パウダーを載せて、焼成を待つばかり

第16回 ’24日本のガラス展に行ってきました

前回(3年前)から、ガラス工芸協会(JGAA)主催の同ガラス展に出品しています。
今回の「第16回 ’24日本のガラス展」にもフュージング画1点を出品しています。今日は、会場当番に行ってきました。7月の丸善日本橋店に続き、東京での出品が続いています。それでも、茨城から代官山の会場まで出ていくのは大変です。

会期:2024年10月1日~6日
場所:代官山ヒルサイドテラスF棟

おしゃれな街、渋谷区代官山のヒルサイドテラスF棟が会場です

展覧会のポスター

展覧会のポスター

今日は小雨でムシムシします。この展覧会は3年に一度開かれ、全国的にも大きなガラスアート専門の展覧会です。一人1点で全82点が展示されています。技法も様々です。

会場は数部屋に分かれていて、ゆったり見られます

会場は数部屋に分かれていて、ゆったり見られます

他の展示室

他の展示室

私の作品は、比較的小さな展示室でした。

私の作品が展示してある部屋

私の作品が展示してある部屋

フュージング画「神域」福田勝司作

フュージング画「神域」 横45cmx縦73cmx厚5mm
福田勝司作

この作品は、昨年秋に訪れた三峯神社(秩父市)の境内をモチーフにしています。透明と白とオレンジのガラスを主に使っています。

会場当番をしていると他の作家さんやガラス愛好家の方々とお話ができて、刺激になります。自宅近くの取手市に有る東京芸大の関係者もいて、茨城ネタでも盛り上がりました。

無鉛ステンドグラス(フュージング画)「瓜売り」制作開始

「水上マーケットで瓜(ウリ)を売る少女」という画題で絵を描き、フュージング画にしています。今回は自主制作ですので、色とりどりの夢の世界のような画作りにしています。モチーフは具体的にあるわけではなく、川か湖の岸に立ち並ぶ高床式住居と小舟で瓜を運ぶ少女を絵にしてみました。

フュージング画「瓜売り」の原画作成風景

原画の時点でかなりメルヘンチックです。

ガラスのサイズは46cmx77cmで、大判です。

1回目のガラスフリット載せ

ベースガラス上にカラフルなガラスフリット(砂粒のようなガラス粒)をスプーンで載せていきます。これを電気窯で焼成し、さらにフリットを載せて焼成します。

フリット載せ2回目です

納得の行く絵になるまで、この作業を繰り返します。1回のフリット載せと焼成で約2日かかります。

フュージング画「海」は絵付け段階です

フュージング画は、別名「無鉛ステンドグラス」とも読んでいますので、鉛やハンダ線に代わる輪郭を描くことが多いです。輪郭の画材は伝統的なステンドグラス用の顔料・グリザイユです。熱にも強く、焼き付けるとしっかりガラスに食い込むので剥がれません。

輪郭を描いて焼成後、冷めたら陰影を描きます。この画材もグリザイユですが、刷毛で薄く伸ばしながら塗るのが特徴です。

グリザイユで陰影を描いています。下にはライトボックスを置いています

大きなバジャーという刷毛で、撫でるようにして伸ばしていくと同時に刷毛むらを消していきます。

グリザイユを重ね塗りするためには、一旦635℃で焼成します。こうして定着させたあと再度陰影などを重ね塗りします。

焼成前の作品

焼成前の作品