ステンドグラス「椿とメジロ」取り付け施工後

7月に完成して納品したステンドグラス「椿とメジロ」は、無事施工が終わったようです。お客様から写真のご提供がありました。

ステンドグラス「椿とメジロ」

床の間に取り付けられたステンドグラス「椿とメジロ」

もともとこの場所には、普通の障子が入っていたそうですが、リフォームでステンドグラスに付け替えられました。ステンドグラスはほぼ正方形です。中央の円の外側は和紙に見えますが、実はここはオパールセントという半透明の白いガラスです。格子状に金属線を入れることで、和風の格子を彷彿とさせています。

夜になって縁側(廊下側?)の明かりで照らしてみた様子です

夜になって縁側(廊下側?)の明かりで照らしてみた様子です

人工光で背後から照らしても趣があります。

ステンドグラス「椿とメジロ」はいよいよ完成です

オーダーメイドステンドグラス「椿とメジロ」は、最終段階、洗浄と黒染めです。専用の作業台を作り、その上で行います。

まず洗浄は、ハンダ付け作業で塗布したペーストを中性洗剤で洗い流し、同時にハンダ部分を真鍮ブラシで磨きます。

水と洗剤で、ステンドを洗浄しています

水と洗剤で、ステンドを洗浄しています

この洗浄をしっかりやっておかないと、黒染めが美しく仕上がりません

この洗浄をしっかりやっておかないと、黒染めが美しく仕上がりません

洗浄後、何度か水を変えてすすぎます。一旦乾燥させて、次はハンダ線の黒染めです。パティーナという薬品を刷り込んで、化学変化で黒くしていきます。

ステンドグラスの黒染め工程

ステンドグラスの黒染め工程

船がくるくなると、しまって見えます。また、輪郭線効果で、ポスターのような画面に自己主張が生まれます。

このあと乾燥し、防錆ワックスを塗布すれば完成です。

ステンドグラス「椿とメジロ」は組立工程

オーダーメイドステンドグラス「椿とメジロ」は全ピースのコパーテープ巻きを終え、組立工程です。

まず、台紙の上に全450ピースを並べます。

台紙の上にピースを並べていくと、絵の全容が現れます

台紙の上にピースを並べていくと、絵の全容が現れます

ガラスピースを並べていると、ジグソーパズルのようで、ワクワクします。

1時間ほどで並べ終えました。台紙上にきっちり、並んでいます。

1時間ほどで並べ終えました。台紙上にきっちり、並んでいます。

改めて、周囲の格子模様の美しさに気が付きます。コパーテープ上にフラックスを塗布して、次にハイパワー・セラミックごてで、ハンダを盛っていきます。

コパーテープの部分にダンダを盛っていきます。

コパーテープの部分にダンダを盛っていきます。

ハンダ作業の途中で、真鍮製の枠材と補強バーもハンダで共づけします。

これは周囲の枠と、補強バーです。

これは周囲の枠と、補強バーです。ハンダ前にピカピカに磨いてあります。

補強バーの取り付け

補強バーの取り付け

完成まで、あともう一歩です。

ステンドグラス「椿とメジロ」はコパーテープ巻き

オーダーメイドステンドグラス「椿とメジロ」は制作が進んでいます。ガラスカットが終わり、コパー(銅)テープを周囲に巻く工程です。ガラスピースの切断面を包むようにテープを巻いて貼り付けていきます。組立時にこの銅部分にハンダがつきます。

ガラスピースに周囲に銅のテープを巻きます

ガラスピースに周囲に銅のテープを巻きます

このコパーテープ巻きは、ガラスカット以上に美しさが求められます。完成後にガラスのカット断面は人目に触れませんが、テープの巻き方は仕上がりの見栄えに直結します。

コパーテープを巻き終えたピース

コパーテープを巻き終えたピース

「椿とメジロ」ガラスカット後半戦

ほぼ1m四方のオーダーメイドステンドグラス「椿とメジロ」はガラスカット後半に入っています。

パネルの周囲を飾る障子のような格子模様のピース

今回のデザインは、周囲は正方形ですが、絵画部分は直径70cmの円です。その間を埋めるのは障子のような格子模様です。ヤカゲニーのステップル・オパールセントガラスを使います。ちょっと見は和紙です。

ステップルガラスを仮置き

ステップルガラスを仮置き

意匠部分のクリアガラスは、ドイツのランバーツ社製アンティークガラスです。今回使用するガラスの中で最も高価です。見た目板ガラスですが、職人が1枚1枚宙吹きで作る工芸品です。

クリアのアンティークガラス。気泡と線模様と歪みが美しいです。

「椿とメジロ」のステンドグラスはガラスカット中

1m四方サイズのオーダーメイドステンドグラス「椿とメジロ」は、部分的にガラスが手に入り、ガラスカットが進んでいます。

方紙は細かく切って、ガラスカットに備えます。

型紙の切断中。ガラスは全10種類。その種類別にガラスカットを進めていきます。

メジロは可愛いので、最初に作ることにしました。

メジロの黄緑色のガラス

メジロの黄緑色のガラス

メジロの目は、ガラスを窯で融かして特別に作ります。中央の黒と、周囲の白を2種類のガラスの融着で作ります。

メジロの目玉の制作は、電気窯で。

メジロの目玉の制作は、電気窯で。写真は焼成前の窯の中。失敗に備え、多めに制作。

葉の緑

葉の緑

椿の赤

椿の赤

ガラスカッターとプライヤーを使っての、地道なカット作業が続きます。

ほぼ正方形のオーダーメイドステンドグラス「椿とメジロ」制作開始

1辺約1mの正方形に近いステンドグラスを作り始めました。デザインの中心は円形で、椿とメジロです。周囲は格子状の意匠で、障子を思わせます。
1枚でこのサイズですと強度的にはかなり不利です。最大の難問は輸送中の振動です。ですので今回は真鍮製の補強バーを多めに入れさせてもらっています。

原画(右下)と実寸大型紙

型紙を作りましたので、これから各色のガラスの必要面積を割り出して、問屋に手配します。

格子模様は、製造誤差も含めて、正確に製図します

作業台も急遽正方形に作り直しました。

専用作業台

 

藤のステンドグラスは 組立中

オーダーメイドの藤のステンドグラスは制作後半、組み立てです。

まず、研磨の終わったピースに銅テープを巻きます。

藤のステンドグラス 同テープ巻き

藤のステンドグラス
各ピースに銅テープ巻き

ハンダ付けの前に、台紙上にピースを並べます。全体像が初めて明らかになり、楽しみです。

台紙の上にジグソーパズルのようにピースを並べます

台紙の上にジグソーパズルのようにピースを並べます

189ピース、すべて並べ終えました

189ピース、すべて並べ終えました

このあと、銅テープ部分にペーストフラックスを塗り、隙間にハンダを溶かしながら流し込みます。

ハンダをコテで融かしながら、流し込みます

ハンダをコテで融かしながら、流し込みます

完成まであと一息です。

藤のステンドグラスは、ガラス研磨中

藤のステンドグラスは、作業も順調に進み、背景に用いるクリアガラスのカットが終わりました。

カットし終わったクリアガラスのピース

カットし終わったクリアガラスのピース

次にカットした断面を回転砥石で研磨して滑らかにする作業に移ります。この段階で、最終的な形状の仕上げもできます。

ルーターを使ってのクリアガラスの研磨

ルーターを使ってのクリアガラスの研磨

葉の部分の緑色ガラスの研磨

葉の部分の緑色ガラスの研磨

研磨の終わったガラスはコンテナで管理しています。

研磨の終わったガラスピース

研磨の終わったガラスピースたち

全189ピースの研磨作業が続きます。

 

藤のステンドグラスはガラスカット中

岡山からのオーダーメイドのステンドグラスは、ガラスカットの段階です。藤の花は2色の濃さの違う紫を使っています。

藤のステンドグラスの花の部分です。淡い紫のガラスの上に型紙を乗せて、けがいています。

藤のステンドグラスの花の部分です。淡い紫のガラスの上に型紙を乗せて、けがいています。

花の芯の部分は濃い目の紫です。透明のガラスにホワイトのガラスパウダーを乗せて電気窯で一旦焼成し、オパールセント調にしています。これを型紙に沿ってカットしていきます。

濃い紫のガラスをカットしています

濃い紫のガラスをカットしています