無鉛ステンドグラス「アイリス」は輪郭線の描きこみ中

横82cmの大判の無鉛ステンドグラス(フュージング画)の自主制作が続いております。色ガラスの焼成が終わり、仕上げの輪郭線です。この線はグリザイユという伝統的なステンドグラス用の顔料で描き、最後に焼成します。

無鉛ステンドグラス「アイリス」輪郭線描き

無鉛ステンドグラス「アイリス」輪郭線描き

無鉛ステンドグラスではこの線描きをしないことも多いのですが、今回は「ステンドグラス」らしい輪郭を描くバージョンです。

ライトボックスの上で線描き

ライトボックスの上で線描き

ポイントとしては、できるだけ濃く、できるだけ細くです。ラファエルの細いトレーサーという筆を使って、水溶きグリザイユで線描きします。

無鉛ステンドグラス「アイリス」制作開始

無鉛ステンドグラス(=フュージング画)「アイリス」は、ギリシャ神話の女神イーリスとヘーラーをモチーフにしています。イーリスは虹の化身で、植物のアイリスの語源にもなっています。画面は森の中に見えますが、地面は虹色に輝いています。二人の女神が千鳥に似た小鳥たちと遊んでいる様子です。

無鉛ステンドグラス「アイリス」の制作風景:白いガラスパウダーを載せています

無鉛ステンドグラス「アイリス」の制作風景:白いガラスパウダーを載せています

先に背景の森と虹をフリットを使って描きこんでおきます。その上から白のガラスパウダーだけで人物を半透明に描きます。

「アイリス」焼成前の白パウダー

「アイリス」
焼成前の白パウダー

無鉛ステンドグラス(フュージング画)「瓜売り」制作開始

「水上マーケットで瓜(ウリ)を売る少女」という画題で絵を描き、フュージング画にしています。今回は自主制作ですので、色とりどりの夢の世界のような画作りにしています。モチーフは具体的にあるわけではなく、川か湖の岸に立ち並ぶ高床式住居と小舟で瓜を運ぶ少女を絵にしてみました。

フュージング画「瓜売り」の原画作成風景

原画の時点でかなりメルヘンチックです。

ガラスのサイズは46cmx77cmで、大判です。

1回目のガラスフリット載せ

ベースガラス上にカラフルなガラスフリット(砂粒のようなガラス粒)をスプーンで載せていきます。これを電気窯で焼成し、さらにフリットを載せて焼成します。

フリット載せ2回目です

納得の行く絵になるまで、この作業を繰り返します。1回のフリット載せと焼成で約2日かかります。

黒いフュージング画の制作

フュージング画といえば、これまではクリアの板ガラスをベース板にしてきましたが、今回始めて黒色のベース板を用いました。ブルザイのBUF0100です。夜の風景なので、黒が最適です。

満月の描きこみ

水墨画の原画を見ながら満月の描きこみ

まず画面の上部(写真では下)には、黒雲を従えた満月です。以前、中秋の名月を水墨画で描いていましたので、これをお手本にしました。白や黒のガラスパウダーで描いています。

桜の花はピンクのパウダーで

桜の花はピンクのパウダーで

月の光で輝く桜は、ピンクのガラスパウダーで丹念に描きました。

電気釜で焼成

電気釜で焼成

焼成は10回弱行いました。秋の展覧会(うしく現代美術展)に出品する予定です。

プードルのミニステンドグラス・サンキャッチャー制作

最近20cmほどの小さなステンドグラスを作るようになりました。工房で犬や猫を飼っているので、その子たちをモデルにしてデザインしています。窓辺に吊るすサンキャッチャーとも言われるステンドグラスです。

先だっての柴犬に続き、今回はトイプードルです。どうしても顔の部分が細かくなってしまうので、目鼻は、黒いガラスピースをフュージングで焼き付けて配置します。

プードルの顔はフュージングで作ります

トイプードルのステンドグラス制作

トイプードルのステンドグラス制作

ガラスナギット(おはじきのようなガラス玉)や針金でデコレーションして完成です。

完成した「とことこトイプードルちゃん」

完成した「とことこトイプードルちゃん」

展覧会向けフュージング画大詰め

2023年度のうしく現代美術展にはフュージング画1枚を出品する予定ですが、その画題には地元龍ケ崎市に現存する明治時代からの商家を採り上げました。建物自体は華美なところはなく普通の古い木造ですが、静まり返った寂しい商店街の佇まいと合わせて、美しいと思いました。

小さな雀をガラスの粉を乗せることで表現しています

商家の前には雀が群がって、少しだけ動きを表現しています。

非現実的な虹色で彩色しています

非現実的な虹色で彩色しています

グリザイユで細く輪郭線を入れ、これも焼成しています。輪郭を描くことでステンドグラスのような効果も出ます。ですので、この絵画技法を「無鉛ステンドグラス」と呼んでいます。

2023年展覧会向けフュージング画の制作

毎年うしく現代美術展にはフュージング画(無鉛ステンドグラス)を1点出品しています。いつもぎりぎりまで方針が定まらず、切羽詰まって制作に入る感じです。ことしも、ようやくデザインが決まり、ガラスの加工に入っています。

うしく現代美術展向けのフュージング画(無鉛ステンドグラス)の制作開始

幅80cmの透明の板ガラス上にカラフルなガラスフリットを載せ、専用の電気釜で焼成します。何回も何回も、様子を見ながらフリットを重ね焼成していきますので、材料代も電気代もかかります。展覧会後に売れれば問題ないのですけれど...

フュージング画小品3点制作

夏の展覧会(JGAAのグループ展)に向けて、小品を制作しています。横25smx縦40cmのフュージング画(無鉛ステンドグラス)パネル3種です。
図柄は、蔦、蝦夷桔梗、コスモスと秋の草花です(展覧会が秋なので)。

フュージング画の色付け。カラーフリットをスプーンで載せていきます

今回は、カラーフリット(ガラスの粒子)をベースガラス上に載せて焼成する、一種のガラス胎七宝の技法を使います。

1回目の焼成

1回目の焼成

多くのガラスが焼成前は無色なので、地味な感じですが、焼成後は鮮やかに発色します。

焼成後、赤が鮮やかに出ています

焼成後、赤が鮮やかに出ています

色乗せと焼成を3回繰り返して、深みのある色を作ります。その後、顔料で輪郭線を描き、これも低温で焼成して定着させます。

輪郭焼成後

輪郭焼成後

 

小型ステンドグラスランプ「緑のベルランプ」制作

端材ガラスの有効利用を目的に小型のランプを量産しています。

今回はベル型をした直径19cmのシェードです。端材とは言え、材料のガラスは一級品です。ステンドグラスランプは小さくても、部屋の片隅にあっても存在感が有るので好きです。

緑のベルランプの紙製モールド

ランプシェードは六角系のベル型です。まず、厚紙でモールドを作り、デザイン(図面)から制作に入る間の確認作業に使います。

ガラスピースはすべて台形ですので、カットは楽です。カットしたガラスにコパーテープを巻いて、組み立てに入ります。

「緑のベルランプ」ハンダ付け中

完成写真が下です。詳しくはグラス工房達風のサイトで。

「緑のベルランプ」完成品

小型ステンドグラスランプ「青のカラフルランプ」制作

高さ30cm足らずの小型のテーブルランプを作っています。中途半端に余ったガラスを利用します。余ったとは言え、ガラス素材は一級品です。ステンドグラスランプは小さくても、部屋の片隅にあっても存在感が有るので好きです。

ボール紙で作ったモールド

ランプシェードはコロッとしたラグビーボールのような楕円形です。まず、厚紙でモールドを作り、デザイン(図面)から制作に入る間の確認作業に使います。

ガラスピースはすべて台形ですので、カットは楽です。カットしたガラスにコパーテープを巻いて、組み立てに入ります。

1個あたり30ピースを使います。その全てにコパーテープを巻きます

1個あたり30ピースを使います。その全てにコパーテープを巻きます

今回、ブルーベースの数色のガラスに加え、オレンジや黄色などの補色を差し色で加えています。小さいので、せめて色で華やかさを出そうと思っています。

表のハンダ終了

表のハンダ終了

ハンダ付けは、先程のモールドにガラスピースをセロテープで仮止めしながら行います。小さいですが、丸くて安定しないので、ハンダ付けは簡単ではありません。

下の写真が、完成した「青のカラフルランプ」です。販売対象ですので、よろしくお願い致します。

ステンドグラス「青のカラフルランプ」