オーダーメイドのステンドグラスは納期約1.5カ月の予定で制作中です。最も時間のかかる工程のガラスカットが続いています。
ウオーターガラスは、テクスチャが水の中のようにゆったりと揺らいでいます。
ピース数もガラス面積も膨大なので、ルーターをかけたピースは銅テープ巻工程まで、コンテナで保管します。
縦1.7mx横60cmx2枚構成の大型ステンドグラスのご依頼を頂き、制作が始まりました。モチーフは「竹取物語」で、かぐや姫と老父、老婆です。かぐや姫が月に帰る直前の別れのシーンです。十二単や平安時代のリサーチに時間がかかりました。一番参考になったのが、高校時代の国語の資料「新修国語総覧/京都書房」でした。高校時代から使い続けている数少ない教科書です。十二単の着付け方法まで載っていました。
今回はかなりカラフルな作品です。ガラスは約20種。今は型紙を作っています。
型紙は、ピースごとに切り分けて、ガラスカット段階に入ります。その前に面積を見積もって、ガラスの仕入れです。
「受胎告知」のステンドグラスでは、マリア様と天使が一応実態のあるモチーフとなり、その他が光や雲で、実態のないものになります。実態のあるものにはガラスの裏面にオパック処理を施し、見た目に浮き出てくるようにします。
オパック処理は半透明処理で、顔料を窯で焼き付けます。
カットしたピースにオパック処理を施した後、黒グリザイユで表からシェード処理をします。これは陰影で立体感を出すものです。多くのステンドグラスではこの処理をしませんが、このシリーズでは陰影を付けているので、同様に施しました。
焼成の終わったピースにはコパーテープを巻いていきます。
中版のステンドグラスパネル「受胎告知」の制作に入っています。大きさは横45cmx縦70cmです。嬉しいリピーターさんです。以前もキリスト教に関係するパネルを2作品作らせていただき、今回は3作めです。2017年にイタリアに行ったときに実際に目にした宗教画の印象を一生懸命思い出し、原画にしました。
「受胎告知」は、聖母マリアに天使が受胎を伝えに来るという有名な場面です。天使は成人の場合もあれば幼い子供の場合もあります。古い絵では概ね成人ですが、ギリシャ神話のキューピットの影響を受けた絵では、可愛い子どもになっていたりします。受胎の象徴は白百合です。
ストックしてあるガラスからカットに入っています。ここ2年ほどガラスの入手が困難で、工房のストックが貴重です。
しばらくカットが続きます。
メルヘンチックなステンドグラスパネル「少女とペガサス」はガラス整形が終わり、組立工程に入っています。
まず、各ピースの切断面を包むように銅テープを巻き付けていきます。
このピースを、組み立て用の台紙の上に並べていきます。この工程はジグソーパズルそのものです。
作品の全容が、徐々に明らかになっていきます。ワクワクします。
組み立ては、ハンダを使って銅テープの部分にロウ付けをして進めます。最初に点止めという仮ハンダをして、ピースがズレないようにします。
銅テープ巻から、ハンダ付け完了まで数日で終わらせるスピード仕事です。
上は完成写真です。作品の詳しい解説はグラス工房達風のサイトで御覧ください。