ステップF7:ハンダ付け(本ハンダ)

 《1》 端部の本ハンダとモールド引き抜き
 本ハンダ(仕上げハンダ)は、最初から全面には施しません。 モールドを入れたまま本ハンダをすると、モールドが引き抜けなくなってしまうからです。 だからといって、点止め状態でモールドを引き抜いてしまうと、自重で断面が楕円形につぶれてしまいます。
 そこで、程よく円形を保てる強度を出し、かつ、モールドを引き抜きやすいように、 両端部10cmほどの幅だけ、まず本ハンダを施します。
 本ハンダは、こんもりと盛り上がるように盛っていきます。
両端部10cmほどの幅だけ、まず本ハンダ 両端部10cmほどの幅だけ、まず本ハンダ
 次に、モールドを慎重に引き抜きます。モールドは再利用するつもりが無ければ、壊しながら出してもかまいません。 
モールドを慎重に引き抜く モールドを慎重に引き抜く
 中の空洞部に、別の紙(新聞紙や包装紙など)を差し込んでおきます。 これは、本ハンダの最中に融けて下に落ちれしまったハンダが、底部のガラスに直接落ちるのを避けるためです。 まれに、ハンダの熱でガラスが割れてしまうことがあるからです。
別の紙を入れておく
 《2》 本ハンダ
 表面中央部の本ハンダを再開します。
中央部の本ハンダ 表面の本ハンダ完
 表面が終わりましたら、今度は中側(内側)の本ハンダです。中に入れていた紙を外し、ペーストを塗って、ハンダを盛っていきます。
中側(内側)の本ハンダ
 中側の本ハンダが終わったら、上下の縁にハンダメッキを施しておきます。
中側(内側)の本ハンダと縁のハンダメッキ完
 《3》 縁仕上げ
 行灯の本ハンダで、最も気を遣うのが、上下の縁の仕上げです。下図にその方法を模式的に示します。 ステップとしては、@棒ハンダを縁の頂上に点止めし、AB隙間に左右から融けたハンダを付けてゆき、C丸く仕上げます。
縁仕上げのステップ
 @ まず、直径3mmほどの棒ハンダを縁の形に曲げておきます。 これを、融かして切断しないように気をつけて、縁に点止め(数センチ間隔)で乗せていきます。 このとき、あまり離れないように密着して付けていきます。
棒ハンダを縁の形に曲げておきます 縁に点止め
 A シェードを横にして、フラックスを塗りながら、シェードの縁とさっき点止めしたハンダ棒の間の隙間を埋めていくように、 融かしたハンダを置いていきます。
融かしたハンダを置いていきます 融かしたハンダを置いていきます
融かしたハンダを置いていきます
 B Aと逆側からも、隙間に融かしたハンダを置いていきます。
融かしたハンダを置いていきます 融かしたハンダを置いていきます
 C @〜Bで盛ったハンダを融かして、断面が綺麗な円弧状になるように静かにハンダごてで融かしていきます。 このとき、一箇所にあまり長時間熱を加えると、折角盛ったハンダが流れ落ちてしまうので、 ちょんちょんとタッチするような感じで、熱を加えてください。
断面が円弧状になるようにハンダごてで融かす
 また、適宜横にして、横にできてしまった波状のハンダの乱れを直してください。
 表面がつるっとしたら、出来上がりです。
適宜横にして、仕上げ 縁の完成
 《4》バンプ(隆起)の形成
 下方の縁にはバンプというイボのような隆起を設けておくと、設置したとき安定します。 またバンプと縁との隙間から空気が入って、中に熱がこもりにくくなります。 下図はバンプの模式図です。バンプの高さは3mm程度です。
バンプの模式図
 バンプは、下の縁に等割りに4個ほど設けます。ハンダを融かして、小山のように盛れば出来ます。
バンプを盛る
 問題は、4個のバンプの高さをどのように揃えるかです。一つでも狂えば、カタカタ不安定になります。
 一つの方法として、平らなもの(下図ではガラス板)をのせて、カタカタいわなくなるまで、 高さの微調整をするというのがあります。
平らなガラス板で高さの検査
 もし、低いバンプがあったら、ハンダを盛り、高いバンプがあったらヤスリなどでけずります。
低いバンプがあったら、ハンダを盛る 高いバンプはヤスリなどでけずる
 ガラス板がぴたっと載ったら、最後にひっくり返して、傾いていないか、目視で調べます。
本ハンダ完了

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