桜のフュージング画では、花を軽く、淡く、ふんわり表現するにはどうしたらいいんだろう、 といつも悩みます。 今までは、ピンクの薄板ガラスを大量に切って、ベースガラスの上に融着させる方法を採って来ました。 この方法ですと、いかにも「ガラスを貼ってます」といった質感が出て、良くも悪くもガラス工芸的でした。 ですが、風が吹くとはらはら舞う、といった軽さが表現できていなかった気がします。
そこで今回は、ガラスパウダーで花びらを表現する手法を採りました。 特に、題名の「夜桜」と言うように、夜のわずかな光に浮かび上がる花びらを表現したかったので、 濃いピンクと、淡いピンクが立体的に、同居するように、咲かせてみました。
ライトピンクのガラスパウダーを、数種類の花形のテンプレートを通して散布し、 ベースガラス上に花を配置しました。 焼成も数回に分けて、徐々に花びらを積層していきました。 花にも濃淡が出て、面白い絵になったと思います。 枝の部分は、グリザイユの絵付けと、グレーの薄板ガラスの融着で表現しています。 現物は、この部分はこんもりと盛り上がっています。
サイズ: | ガラス部分 横727×縦369mm×厚6mm×3枚構成 |
設置場所: | 岡山県 個人邸 浴室窓 |
制作経緯: | オーダーメイド |
制作過程: | 詳しくはブログの記事で |
制作年度: | 2012年 |