自然の造形の面白さを描写するとは、その「命」を捉えることだ。という原点に立ち返って制作したステンドグラス作品です。花ひとつとっても、育つ場所が変われば表情も異なる。ならば、「命」を描くには、今回はここに咲くこの花を描こう、という限定が必要になってくると思います。
私が朝ランニングする公園には、様々な植物があり、盛春には日々異なる表情を見せます。先だって、まさに花真っ盛りの椿をスケッチをしました。今回は、小さめの渋い花を付ける侘助という品種を採り上げ、墨画風の構図に再構成してステンドグラス用にデザインしました。もちろん、アートである以上、人為的な再構成は必要で、自然の面白みと構図の面白みを合成させる必要はあります。
破れた竹垣の上に生い茂る、活き活きとした侘助を描いたつもりです。また、葉の1枚1枚は、全てお行儀良く表を向いているわけではありません。侘助自身が向きたい向きをテンでバラバラに向いているわけです。うなだれているモノもあれば、ほぼ水平を向くモノ、ねじれて裏が見えているモノ、虫の食っているモノ、育ち損ねているモノ。そのバリエーションこそが面白いと思います。
サイズ: | 直径500mm(本体) |
設置場所: | 神奈川県: 個人邸 |
制作経緯: | 自主制作 |
制作過程: | 詳しくはブログの記事で |
制作年度: | 2005年 |
達風ステンドグラス「侘助(わびすけ)」(部分拡大)