笹百合は山百合や鬼百合に比べて派手さはありません。花弁に斑点はなく、色もシンプルな白かピンクです。ですが、私はこの笹百合に「これぞ百合の中の百合」を感じるのです。葉は、笹のようにスッと伸びて量は少ないです。花は、横を向き、程よく捲れた姿は清楚で気品があって、乙女のようです。乙女百合(正式にはヒメサユリと言います)というのは実は別にありますが、私は、笹百合の方が、乙女っぽいと思います。
このステンドグラス フロアランプは、「百合のフロアランプを」というご注文を頂き、予算も提示されて製作に取り掛かりました。ピース数は500個程度で、決して多くはありませんが、ほとんどのピースが細長く、ガラスの切断や研磨に苦労しました。全てのピースを縦長にして、笹百合のほっそりとした雰囲気を強調させたつもりです。
家庭用のランプでしたので、例によって色数は減らしましたが、アクセントとして葯の強い赤と雌しべのエメラルドグリーンを入れて、少し遊びました。板ガラス素材は米国3社の製品を用い、ウロボロス社のオレンジのリングモトルで花弁を、それより少し白いブルズアイ社のオパールセントで葉と茎を表現しました。ベースは定番の3灯式(電球3個点灯)です。
予てより、百合を一度作ってみたいと思っていましたので、とても楽しい仕事でした。
サイズ: | 直径460mm×高さ1440mm |
設置場所: | 茨城県: 個人邸 リビングルーム |
制作経緯: | オーダーメイド |
制作年度: | 2000年 |
グラス工房達風ステンドグラス0201「笹百合」シェード部分拡大