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A.《十両》コース 〜ステンドグラス小パネルの作り方〜
ステップA11. 外周の仕上げ作業
《1》 レッドケイム巻き
どんな作品でも、周囲の仕上げは難しいものです。 周囲にもコパーテープを巻いて、ハンダで仕上げる方法もありますが、 今回はレッドケイム(別名 鉛線)を取り付けます。
レッドケイムは鉛でできた柔らかい線材で、大きく分けて2種類あります。 今回使うのは、断面がU字型したUケイムです。 この他にもHケイムと言うモノがあります。
レッドケイムの切断用には、専用のケイムナイフというものがありますが、 大き目のカッターナイフかニッパでも切れます。 ケイムは、端部の溝がつぶれている場合があるので、カッターなどで切りなおして、開いておきます。
《2》 巻きはじめ
このレッドケイムの溝に、ハンダ作業の終わったステンドグラスの周部をはめ込んでいきます。 どこから始めてもいのですが、つなぎ目が目立たないように、作品下部から始めます。
端部のケイムにペーストを塗り、ハンダでステンド本体に仮止めします。 レッドケイムは熱に弱く、ハンダコテが最高温度の場合、ケイム自身も融けて変形します。 ハンダ作業は手早くやりましょう。
《3》 手で巻く
ケイムは柔らかいので、ハンマーなどで叩き込むのではなく、手で優しく、だましだまし差し込んでいきます。 そして終端部近くまで来たら、また仮止めして、外れないようにします。
《4》 繋ぎ目の処理
終端部(繋ぎ目)で、余分なケイムを切り落とし、ぴったりに差し込みます。 そしてペーストを塗ってから、ハンダで繋ぎ目を埋めます。
《5》 ハンダ線との結合
ケイムが巻けたら、ケイム部分にT字型に潜り込んでいるコパーテープ部分と繋ぎます。 このコパーテープ部分には、すでにハンダメッキがされているので、この上から本ハンダを盛ります。 そして、ケイムとジョイントさせます。
動画(42秒)
《6》 フックの取り付け
最後に、出来上がった作品を吊るすためのフックを付けます。 直径1mm程度の銅の針金を紙やすりできれいに磨き、これを短く切って、ラジオペンチでフック状に曲げておきます(「ひ」の字型)。 このフックにフラックスを塗布し、ピンセットで持って全体にハンダメッキを施します。 そして作品の縁にハンダ付けします。
この時も、長々とハンダコテをケイムに押し当てていると、急に融けて型崩れしてしまいますので、 当てては離し、当てては離しして、慎重に仕上げてください。
《8》 ハンダ終了
ハンダ付けは終了です。ハンダはステンドグラス作品の最終的な美しさを決める重要な工程です。 習うより慣れろの思いで頑張ってください。
■写真はクリックすると拡大表示されます■
ステップ A1
概要説明
ステップ A2
デザインと
型紙の制作
ステップ A3
ガラスの基本(1)
ステップ A4
ガラスカッター
の持ち方
ステップ A5
ガラスカットの基本
ステップ A6
ガラスカットの実践
ステップ A7
カジリ取りの方法
ステップ A8
ルーターによる
研磨作業の基本
ステップ A9
コパーテープ
の基本
ステップ A10
ハンダ付け作業
ステップ A11
外周の仕上げ作業
ステップ A12
洗浄作業
ステップ A13
ハンダの黒染め作業
ステップ A14
長持ちさせる
保護処理
付 記 1
百合のパネル概要
付 記 2
初級者向け
パターン集
付 記 3
工具と消耗品一覧