ステップA3. ガラスの基本(その1)

 《1》 ステンドグラス専用の板ガラスの分類
 ステンドグラス専用の板ガラスは、大きなホームセンターや東急ハンズなどで市販されていますが、 厚さ3〜4mm程度でしたら、サッシ用のガラスでもステンドグラスを作ることは可能です。 また、鏡などを用いることも可能です。ですがやはり、色の美しさや、色のバリエーション、テクスチャ(質感) の面白さを考えると、ステンドグラス専用のガラスを用いたいものです。
 日本で市販されているステンドグラス専用ガラスのほとんどが米国、ヨーロッパ製、中国製の外国製で、 実に1000種類以上のものが手に入ります。
 まずステンドグラス専用ガラスを分類して勉強してみたいと思います。
光透過性の違いによる分類
名称トランスペアレント(透明)ガラスオパールセント(半透明)ガラス
用途主に太陽光を光源とするパネル作品主に電球を光源とするランプ作品
特徴中世ヨーロッパから使われてきた歴史有るガラスで、 教会のステンドグラスなどに使われてきました。 高価な宙吹きガラスであるアンティークガラスや、比較的安価なキャセドラルなどのバリエーションがあります。 最近は、アンティークガラスに似せて機械的にテクスチャを付けた、安価なガラス(ニューアンティークなど)もあります。 1900年ごろルイス・コンフォート・ティファニー(ティファニー2世)が ステンドグラスランプ(ティファニーランプ)用に開発したガラスです。 陶磁器のような半透明の透過度で、電球の点光源の光も面全体で拡散します。 ですので、面全体が美しく発光します。 バリエーションとして、リング模様が浮き出たリングモトルや、複数の色がマーブリングのように混ざった ストリーキーガラスなどがあります。トランスペアレントに比べ、少し硬いです。
製造方法の違いによる分類
名称アンティークガラスハンドロールガラス
用途高級なパネル作品手ごろなパネルやランプ作品
特徴職人が宙吹き(手吹き)で1枚1枚作る高級ガラスです。 まず巨大な円筒状に吹き、これを開いて板状にします。表面のライン模様と気泡が特徴です。 融けたガラスの塊をローラーで伸して板状にします。 比較的安価です。ベース板やローラーの凹凸を転写できるので、 グラニトやフィブロイド、リップルなど、さまざまなテクスチャ(質感/模様)を付けられます。
 下の写真は、トランスペアレントガラス(緑と黄色)です。緑の方はアンティークガラス、 黄色の方は、その半分の値段のキャセドラルです。太陽光(左)では美しく発色しますが、電球の光(右)では中心部だけが眩しく光ります。
トランスペアレント・太陽光 トランスペアレント・電球
 下の写真は、オパールセントガラス(青とオレンジ)です。青はリングモトル、オレンジは白とのストリーキーです。 太陽光(左)でも見られますが、電球の光(右)の場合、面全体で発光して綺麗です。
オパールセントガラス・太陽光 オパールセントガラス・電球
 《2》 課題作で使うガラス
 今回の課題作「チューリップ」では、花の部分に赤と黄色のオパールセント、 茎と葉の部分に緑のオパールセント、背景に淡緑色のトランスペアレントを用います(下表参照)。 今回、3種のオパールセントガラスは、すべてストリーキー(流れ模様)です。 オパールセントとトランスペアレントを同一画面に配すると、オパールセントがより引き立って見えますので、 花を引き立たせます。 また、電球を使ったランプとして使用する時、オパールセントガラスの方が光線を柔らかく遮り、きれいです。
課題作でのガラスの選択例
記号場所ガラスの種類と色 メーカー/型番購入サイズ※
(a)花(赤)オパールセントの赤 スペクトラム/SP359-1S
または、ココモ/KO511
または、ブルズアイ/BUF2124
1/4
(b)花(黄)オパールセントの黄 スペクトラム/SP367-1S
または、ココモ/KO714
1/4
(c)オパールセントの緑 スペクトラム/SP29-6S
または、ココモ/KO257
1/4
(d)背景トランスペアレントの緑 スペクトラム/SP123RR
または、ココモ/K208
1/4
※使用後には余りが出ます

課題作用のガラス1 課題作用のガラス2

一部色が異なりますが、便利な4色パックも購入できます(各色10×20cm/税別1,999円)
ステンドグラス用ガラス

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