《1》 コパーテープの種類
ガラスピースの縁の部分にコパーテープ(銅テープとか、コパーフォイルなどと呼ぶ時もあります)を巻き、
貼り付けます。
コパーテープを使うので、この技法を「コパーテープ技法」と呼びます。
ステンドグラスを作る方法として、伝統的な「鉛線技法(ケイム技法)」と、この「コパーテープ技法」の二通りがあります。
後者は、ルイス・コンフォート・ティファニーがランプを作るために発明した方法で、鉛線で組む方法に比べ、
繊細で自由度の高いデザインが可能になりました。
コパーテープの幅は、数種類あります。これは、ガラスの厚さに応じて使い分けるためです。
下の写真(左)は代表的な4種類です。幅の狭い5/32"(インチ)から広い4/1"までです。
また、コパーテープは剥離紙を取ると、裏面が粘着面です。この粘着面が黒か銅色かによってさらに2種類に分けられます。
黒いものをバックコート有りといい、透けるトランスペアレントガラスに用います。バックコート無しは、オパールセントガラスに持ちます。
ちなみにバックコート有りをオパールセントに用いてもかまいませんが、割高です。
《2》 用意するもの
作業にあたり他に用意するものです。ハサミはテフロン加工してあるものが良いです。
《3》 巻き始め
テープ幅は、ガラスの厚さプラス1.5〜2mm程度のものを選びます。ピースにテープを巻き始めるとき、
まず剥離紙を少しはがし、角から5mmほど出た部分からはじめ、ぐるっと1周切断面に貼り付けます。
ガラスはテープの幅方向のちょうど中央に位置するように置き、余ったテープをガラス断面の両側から均等にはみ出させます。
両側から0.75〜1mmはみ出すようにします(下の図:左)。
《4》 巻き終わり
1周したら、最初の5mmと最後の端部を重ねて、カットします。
《5》 テープ倒し
ガラス両面にはみ出したテープを、指でつまむようにして倒します。こうして、縁の断面をコの字型にテープで包みます。
ピースの角は畳むように丁寧に倒し、決して裏面がめくれないようにします。
また、凸のカーブは、均等なギャザーを寄せて倒します。
《6》 しごく
テープとガラスの間には、まだ空気が入っていますので、ラスキンというへらでしごいて、
テープをガラスに密着させます。しわの部分も潰して、平らにします。
動画(1分54秒)
《7》 仕上げ
テープの始点と終点の重ね部分にずれがある場合には、出っ張ったほうをカッターナイフとピンセットで切り取ります。
《8》 確認
巻き終わったピースを確認します。倒した幅が両側でバランスよく0.8〜1mmに(最大1.5mm)なっていますか。
この幅が均一で、破れなどがなければ、ハンダ線が均一幅になり美しくなります。
ですが、強度の点からすると、
大きなピースほどこの幅が広いほうが良いです。逆に1cm程度の小さいピースなら、0.5mmほどで良いでしょう。
ステンドグラスのハンダ線仕上がりの良し悪しは、このコパーテープの仕上がりで決まります。
ガラスのカット面ではないという点が重要です。
丁寧に美しく、しかし素早く貼れるようになってください。
《9》 テープを巻かない部分
テープを巻き始める前に、付随する型紙を確認してください。
(ピンクの)マーカーで塗られた辺には、テープを巻く必要がありません。
この部分は、後ほどレッドケイムと言う金属を被せるので、テープが不要なのです
(もし、ピンクの部分が極わずかであったら、巻いても構いませんが)。
巻かないと言っても、剥がれ防止のために、両端5mmほどは、折り返して巻いてください。