アンティークショップからのご依頼で、イギリス製の古いステンドグラスの修復をしました。鉛線は比較的新しいですが、中央の人物像は100年は経っているであろう古いものです。つまり、すでにリメイクされているものです。
①中央の人物像の左側のベールのピースが細かく割れてしまっています。
②鉛線をプライヤで広げ、破損ピースを取り出し、鉛線内の古いパテをクリーニングします。
③色の近いアンティークガラスを破損ピースと同じ形状にカットします。
④古いピースの絵柄をトレーシングペーパーに写し取り、これを新しいピースの下に敷き、表面からグリザイユで線描きします。その後、電気窯で、625℃で焼成します。
⑤5時間後、窯から出して、今度はグリザイユで1回目の陰影を描きこみ、625℃で焼成します。
⑥さらに、グリザイユで2回目の陰影を描きこみ、625℃で焼成します。
⑦新しいガラスの色を古いガラスに近づけるために、裏からブラウンとルビーレッドのエナメルを塗り、780℃で焼成します。
⑧エナメルを部分的に剥がして、陰影の調整をします。
⑨ガラスピースを元の位置にはめ込み、パテを詰めて、慎重に鉛線を閉じます。
⑩ベンジンで洗浄して完成です。
う~ん、やはり、色が少し違います。まあ言い訳になりますが、当時と全く同じ色のものを探し出すのは至難の業です。
冷や汗ものの作業でした。
うううわぁぁ~!!
神業!!
尊敬します。
あんだんてさん こんにちは
いやいや、とんでもないです。まだまだ修行が足りないです。
修復は、これはこれで奥が深くて、ヨーロッパにはこの腕で食べている人がいっぱい居ますからね。
フランスはレンヌで頑張っていた日本人の修復師(鈴木氏)にこれを見られたら、怒られます。