ステップD4. ガラスカット

 《1》 型紙の処理
 ガラスカット用の型紙は、境界線に沿ってハサミでばらばらに切り分けておきます。 切り分けたら、ガラスの種類ごと(A〜Cの記号ごと)に箱などに入れて分けておきます。 なお、ボーダーに関しては、型紙を必要としません。
切り分けられたガラスカット用の型紙
 《2》 ケガキ
 ガラス表面に、型紙の外形を油性マーカー(マジック)でケガキ(写し取り)ます。 1枚の型紙で3ピース分ケガキます。
 ケガキの要領としては、まず隣接ピースとの間に5〜8mmの捨てシロが出来るように、ガラス上に型紙を置きます。 型紙を左手でしっかり押さえ、マジックでその縁なぞるように外周をガラスに写し取ります。 1枚で3回繰り返します。
葉のピースのケガキ 全ての葉がケガキ終わったところ
 背景の柄のガラスCにはヘアライン(細かい平行線)模様が入ったフィブロイドガラスを使います。 型紙に描かれた、平行線(縞模様)をヘアラインに平行になるようにガラス上に置き、ケガキます。
同心円を描くヘアラインの向き フィブロイド上へのケガキ
 ボーダーに関しては型紙を使わず、物差しで3cm×1cmの長方形を30個描いて終わりにします。
 こうして全てのケガキを済ませます。
全てのケガキ完了
 《3》 ケガキとスコアライン
 カットの段階では、マーカーで描かれたケガキ線を頼りに、ガラスカッターでスコアラインを入れていきます。 そのときのケガキ線とスコアラインの位置関係をもう一度おさらいしておきます。
 下図のように、スコアラインはケガキ線の内側になります。 今回は特に、ケガキ線ぎりぎりにしてください(理由は次章で)。ただし、少しでもはみ出すのは禁物です。
ケガキ線のすぐ内側にスコアラインを入れる
 《4》 粗切り
 大きなガラス板をある程度大雑把に切り分けておく作業を粗切り(ラフカット)と言います。 このとき、ケガキ線とケガキ線の間で切るのではなく、ピースのケガキ線にそって経路を作ります。 つまり粗切りもピースの切り分けを兼ねるのです。ですので、スコアは上記《3》を意識して、ケガキ線のすぐ内側に入れます。
粗切りの経路 ケガキ線をたどる経路設定
 粗切りを繰り返して、最終的には、ピースの切り出しまでもって行きます。
最初の粗切り 粗切りからピースの切り出し
 《5》 ガラスカットの復習
 ガラスカッターの持ち方には、人差し指と中指の間に挟み親指との3本指で持つ方法や、握る方法があります。 握力の弱い方には後者が良いでしょう。左手の人差し指をカッターに添えて、暴走防止のブレーキにしてください。 また左手の他の指でガラス板を押さえます。 ガラスカッターは、75度程度に傾けて走らせます。
人差し指と中指の間に挟み親指との3本指で持つ方法 握る方法
 ガラスカッターの移動方向は、ケガキ線が見易く、カッターに体重を乗せ易くなるように、手前から遠ざける方向にします。
 実際のカットでは耳が頼りです。ガラスカッターに力を掛け移動させるときのキリキリという「鳴き=(音)」を確認しながら、走らせて行きます。 ガラスカッターで付けた傷をスコアラインと言います。スコアラインは、ガラスの縁から1mm程度内側から付け始め、 反対側の縁の1mm程度手前で終わらせます。カッターを走らせすぎてガラスの縁から脱落させないようにしてください。先端が傷みます。
カットの開始 カットの終了
 スコアラインを入れたら、工具をブレーキングプライヤに持ち替えます。 このプライヤでスコアラインの端を挟み、ピシッと音をさせて、裏面まで貫通するヒビを入れます。 まずブレーキングプライヤの四角いパッドを、スコアラインのあるガラス表側に、丸いパッドを裏側にして、 パッドの中心線をスコアライン上に合わせて、挟みます。 一気に握力をかけるのではなく、プライヤを持つ手に徐々に力を入れてゆき、「ピシッ」という小さな音がしたらそこで止めます。 この作業を、スコアラインの始点・終点の2箇所でやります。 ただ、多くの場合、片側を挟んだだけで、ガラスが割れますので、割れないときのみ、次の解説に進んでください。
プライヤの持ち方 プライヤでのカット
 次に、再びガラスカッターに持ち替えて、真鍮製の栓(頭部の丸いところ)でガラスをタッピングします。 タッピングとは、裏面からスコアラインに沿って万遍なく「タンタンタン」と叩くことです。 ガラスを持つ手もカッターを持つ手もふらふらのやわらかめにして、軽快にタッピングします。強く持つと上手く割れません。 音が低くなり出したら割れる時が近づいている合図です。
 タッピングを続けてもなかなか割れないときは、再度プライヤを使って、スコア上を挟んでみてください。 また、直線に近い粗切りの場合、手割を試みても良いです。
タッピング 割れた瞬間
 こうして何回かスコア→プライヤの工程を繰り返して、1個のピースを切り出します。 曲線の多い今回の葉や花では、きれいな曲線に切れずに、角が残ることが多いと思います。 このような角は、ルーターで削るか、ザグザグでかじりとって落として置いてください。
葉のピース
ザグザグで角を落とす ザグザグの拡大図 ピースの切り出し作業
 粗切りの様子を動画でどうぞ


動画(49秒)

 ピースの切り出しを動画でそうぞ


動画(47秒)

 《6》 ボーダーのカット
 ボーダーは長方形に近似できるので、物差しを使って1マス3cm×1cmの格子模様をガラス上にケガキ、カットします。
ボーダーのガラスカッターでのスコア入れ ボーダーのプライヤ作業
 切り出したピースは迷子にならないように、型紙と一緒に整頓して箱に入れておきます。
切り出した全てのピース

前へ 次へ


■写真はクリックすると拡大表示されます■