ヨーロッパ人は、親切心を行動に移すのが、日本人に比べてスマートだと思います。まあこれは、私とその周辺だけの意見かもしれませんが。私はフランスを中心にヨーロッパには数回行き、妻もフランスに4年間ほど留学し、周辺各国にも滞在経験があるので、互いに話すことです。
例えば、路上やマーケット、地下鉄などで、困っている人に対し周囲の人が実に素早く手を貸します。印象に残っているのは、10年ほど前、パリの地下鉄。座席に座っていた高校生くらいの数名の少年達です。やにわに立ち上がり扉に殺到したかと思うと、重そうなカートを持って乗車しようとしてきた黒人の女性に対し、ある少年は扉を抑え、ある少年はカートを持ち上げて助けていた光景です。女性が無事乗り込むと、何事もなかったかのように少年たちはまた話し出しました。学校や家庭でそのように躾けられているのかもしれませんが、実に気持ちの良い光景でした。
これが東京の地下鉄ならどうでしょう。
「今乗ろうとしているあの人、重そうな荷物を持ってるなあ
「でも何歳くらいだろう、お年寄りじゃないし、
「声かけたら、変に思われるだろうなあ
「あっ、カートの車輪が引っかかりそうだ、頑張れ
「良かった、間に合った、乗れた」
これは、押し黙ったまま微動だにしない日本人Aの心の中です。行動に移せないなら、いっそ無くてもいいか、こんな「思い」。
スペインに仕事でよく出かける友人Mも、スペイン人は本当に人懐っこくて親切だと言います。
地図を持って道に立っていると、必ず誰かが言い寄って、探していた目的地まで案内してくれるそうです。日本では、そのような人あまり目にしません。外国人が道を探していたら、話しかけられないように、かえって距離を置くくらいです。
また友人Mは、こうも言います。初対面でも、少し馴染むと、上げ膳据え膳でもてなしてくれて、肩に手をまわして今日はウチに泊まっていけと言ってくれる。南ヨーロッパ人は特に陽性だというのもあるでしょうが、親切や思いやりが道徳ではなく、習慣になっているところが素晴らしいです。
オリンピックの東京招致の時流行った日本人の「おもてなし」の精神は、接客のプロに限られたものではないでしょうか。日本のホテルや旅館業、鉄道員、量販店の店員など、確かに心配りがきめ細やかです。完璧主義といってもいいほどです。ですが、一般ピープルに関しては、さっき言ったように日本人よりヨーロッパ人の方が一枚上手でしょう。
そんなヨーロッパでも、逆に頂けないのが、公共機関の窓口。どんなに行列ができていても、のんびりマイペース。業務終了の時が来れば、冷たく閉める。ファストフードの店員も、あまりイイ感じではありませんでした。こちらがアジア人だからでしょうか。
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