ランプベースの配線

 未配線のランプベースに、配線する(ソケットやケーブルを付ける)方法を説明します。
 ただし、失敗すると、感電や失火の危険性もある工作ですので、ご自分の責任において、 参考になさってください(当方は、なんら責任を負いませんので、ご承知おきください)。

 《1》 材料と工具
 今回用いるランプベースは、所謂テーブルランプ・タイプです。 その他のタイプでも、ソケットを取り付ける部分のニップル形状がこれと同じであれば、応用できます。 ランプベースの他に、ソケット(碍子タイプ)、ソケットカバー、端子(圧着端子)、スイッチ付ケーブルを用意します。 今回ランプベースの高さが23cmと小さかったので、電球の口金サイズは、小さ目のE17にしました。 大きなベースでは、口金サイズをE26にしてもいいです。

 【ご参考】
 ・ベースを買う時は、国産ベースか鉄ベースが良いです。 何故ならば、ソケットを付ける部分の「ニップル」と言われるパイプ状ネジと、国産ソケットとの相性が良いからです。 輸入ベースの場合、国産ソケットが適合しない場合があります。ご注意ください。
 ・ニップルとハープ(シェードを支える針金状の部品)は、ランプベースに付属していることが多いですが、無ければ、別に買い揃える必要があります。
 ・ソケットにもいろいろな材質や形状のものがあります。今回は熱に強い碍子タイプを選びました(モーガルソケットともいいます)。 碍子とは瀬戸物のことです。ソケットは作業前に、ネジ、ソケットベース、絶縁板、ソケット本体に分解しておきます。
 ・ガイシカバーは無くても構いません。白いソケットが露出していても気にならない方は、カバーは省いてください。
 ・ケーブルに予め中間スイッチが付いていない場合は、スイッチも購入し、ケーブルの途中に取り付けて下さい(方法は後述)。

必要な材料 ニップル形状
 端子は、UタイプとOタイプがあります。どちらを使用してもOKです。今回はOタイプを使いました。 そもそも、端子を使わず、導線を直接ソケットのネジに巻きつけて固定する、という方法もありますが、外れ易く危険ですのでお勧めできません。
端子
端子の種類
 工具は、圧着工具とドライバーです。圧着工具は、ケーブルの導線に端子を固定する工具です。ペンチでも代用できます。
工具
工具
 《2》 ケーブルを通す
 まず、これから行う配線の構造図(完成図)を見ておいてください。
完成図 完成図
 さて、最初の作業ですが、ベースにケーブルを、図に@→A→Bの順に通します。 途中、緩い結び目を作っておくと、使用中の抜け止めに良いです。
 ニップルから出てきたケーブルには、さらにCカバー→Dソケットベース→E絶縁板を順に通します。
ケーブルを通す ケーブルを通す
 《3》 端子を固定
 ケーブルの先端は、1cmほど被覆を剥がして、導線を露出させます。そこに、端子を取り付けます。 端子を挿し、圧着工具で端子根元をつぶして固定します(カシメル)。 最後に、引っ張って抜けないことを確認してください。
端子を固定 端子を固定 端子を固定
 《4》 ケーブルとソケットの締結
 碍子ソケットには2種類/3個のネジが付属しています。 その内、真鍮製の短い2個のネジAを使って、端子をソケット裏にネジ止めします。
ケーブルとソケットの締結
 《5》 ソケットベースの固定
 ソケットベースを、ランプベースに固定します。 ランプベースのニップルに、@ソケットカバー→Aソケットベースの順に差し込み、 ソケットベースを写真の黄色の矢印方向(時計回り)に廻します。
 ニップルは雄ネジ、ソケットベースは雌ネジ(一種のナット)ですので、これで締結できます。 といっても、専用工具は無く作業は困難です。実際には指を突っ込んで、指先で廻す方法が手っ取り早いです。
ソケットベースの固定 ソケットベースの固定
 《6》 ソケットの固定
 いよいよ最後の工程です。ソケット本体を、ソケットベースに結合します。 ソケットの裏側に、絶縁板を添えて、ネジ穴の位置を揃えます。 この穴に、ソケットの電球差し込み側から、残った最後のネジBを通して、ひっくり返し、 ベースのソケットケースの中にそおっと差し込みます。そしてネジBで固定します。
ソケットの固定 ソケットの固定 ソケットの固定
 《7》 結び目の調整
 最後に、ベースをひっくり返し、結び目を調整します。 結び目は、不用意にケーブルを引っ張った時、ケーブルが抜けたり断線しないように設けます。 引っ張ってもテンションがソケットまで伝わらないように、写真のように内部で少したわむ場所で、結び目を絞ります。
結び目
 これで完成です。
完成

番外編

 《中間スイッチの取り付け》
 ケーブルにスイッチが付いていない場合の、スイッチの取り付け方を説明します。 スイッチにもいろいろありますが、ここではボタンスイッチを例に取り、説明します。 スイッチの設置位置は自由ですが、ベースからあまり遠くない方がよいです。 20〜40cmくらいのところが良いと思います。
 スイッチはネジを緩めると2分割になります。 電線の平行する2本の内1本をニッパで切断し、写真のようにスイッチ(下部)内に位置させます。 スイッチ(上部)を載せて、ネジを締めて合体させれば完成です。 このボタンスイッチは、電線の被覆をはがさなくても、 上下を合体させるとき電線内部に針がささり結線がなされる仕組みになっています。
スイッチのネジを緩めて2分割 電線をスイッチ内に設置 スイッチ(上部)を載せて、ネジを締めて合体
 《吊り下げベースの配線》
 グレープバインシリーズなどの小型のベースの配線は、吊り下げベースの配線ページでご覧ください。
グレープバインシリーズの配線

材料一覧

 ここでご紹介した材料をおさらいしておきます。掲載データはあくまで目安としてください。
 なおネットスクール達風では、割安なネット通販 を行っていますので、よろしければご利用下さいませ。
材料 定価はH30/11現在
たっぷう通販品番 名称 定価(税抜)[円]
《FE-340》(54340)ランプベース「鉄灯鉄美20」6,500
《CE-111》(24111)ボタンスイッチ付ケーブル850
《CE-054》(24054)碍子カバーE17 BK350
《CE-001》(24001)モーガルソケット(碍子ソケット) E17330
《CE-055》(24055)圧着端子(100個入り)1,900
《CE-163》(24163)ボタン式中間スイッチ280

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