ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その13)」 「ひかりの素足」

何度読み返したかわからないほどに、繰り返し読んだ宮沢賢治の童話『ひかりの素足』。幼い兄弟が吹雪の山で遭難し、地獄と仏様を体験するという内容です。簡単に書きましたが、結末もすごいんです。短い童話なのですが、涙無くして読めません。また読みます。
ところで、10年ほど前に同題のステンドグラスパネルを作ったのですが、その写真がネット経由で若いご夫婦の目に留まり、青森県からわざわざ買いに来て下さったんです。感激しました。以下は、翌日頂いた有り難いメールです。
「無事に『ひかりの素足』と共に昨日の深夜に到着しました。正直一番気にいっていたのを譲っていただいて良かったです。私、競輪選手で骨折はしょっちゅうのことです。平成15年に練習中に、飛び出した子供と接触し、頭蓋骨骨折で一週間意識不明で三途の河のような不思議な所を体験した私です。その後『ひかりの素足』を見たときは、なんともいえない気分になりました。それは恐怖ではなく心の落ち着く感じで、おもわず見とれてしまいました。健康なときなどあまり考えもしなかった普通であることの大事さ、一日一日を大事に頑張っていかなければと『ひかりの素足』を見ると思います。相手の子供は擦り傷だけで良かったです。(後略)」
片道6時間半かけて、夕方到着されたご夫婦。『ひかり…』を一目見られた奥様が思わず涙ぐまれたのには驚きました。奥様にも大変なご苦労があったのでしょう。こういう出会いを糧に私も制作を続けます。

ひかりの素足

「ひかりの素足」、サイズ:60×90cm

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