ステンドグラス制作者の「ぎやまん草子(その6)」 「八犬伝」

南総里見八犬伝というと、小学生の時にNHKでやっていた人形劇「新八犬伝」を思い出します。辻村ジュサブローさんの作る人形、今は亡き坂本九さんの黒子姿の司会が話題でした。

ご存じ八犬伝は、江戸時代の作家、曲亭馬琴がだらだらと書き綴った史上最長の古典です。仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の文字が浮きでた八つの玉を持つ八人の若者=八犬士が織りなす戦国絵巻です。

さて2003年に、八犬伝の舞台である千葉県の南端、館山市のとある別荘にランプ数点をお納めしました。写真は3個一組の吊り灯です。筒状のランプを階段の吹き抜けに段差をつけてぶら下げました。別荘にほど近い海岸から眺めた、美しい夕日の「橙」、海に迫る山の「緑」、眼前に広がる海の「青」をモチーフにしました。光の三原色に近い組み合わせなので、その合成色はほぼ白色になります。実際に、個々の色の派手さとは裏腹に、吹き抜けは落ち着いた自然な光をたたえていました。

ところで、取り付けを手伝ってくれた地元の大工さんが、なんと八犬士の一人の末裔だそうです。八犬伝は史実ではないはずですが、家系にロマンがあるのがとても羨ましかったです。

3個一組のステンドグラス吊り灯

3個一組のステンドグラス吊り灯

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