1.FIX窓に取り付ける方法

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 最も一般的な、ステンドグラス・パネルの取り付け施工方法です。 新築の時、ステンドグラスをオーダーされる方のほとんどは、この方法を採ります。 ですが、必ずしも新築のタイミングにあわせる必要は無く、お引越し後でも、長年住まわれたお宅でも、後付け可能です。

 FIX窓(はめ殺し窓)とは、窓が開閉できないタイプのサッシ窓のことです。 ステンドグラスは、このFIX窓の内側に固定するだけです。 具体的には、窓の額縁という部分に、押縁(おしぶち)と言われる断面15mm×15mmほどの角材を用いて、ステンドグラスを固定します。
 ※ここで言う額縁とは建築用語で、サッシ窓と壁紙の間にある(多くは木製の)枠部分の事です。 絵画を入れる「額」とは異なりますので、ご注意ください。

 一旦ステンドグラスが取り付けられますと、窓は開閉できませんので、 ステンドグラスを入れる計画のある窓には、予め開閉しない窓=FIX窓を取り付けておく必要があります。 工務店の担当者さんには、設計段階から、その旨を伝えておいた方が良いです。



既存のFIX窓に、押縁を使って作品を取り付ける方法 (下図(1)の工法)


ステンドグラスの取り付け風景 (動画 3分)

取り付け構造と開口の寸法測定箇所

取り付け・施工方法:窓 開口の測定

 図(1)のようにパネル作品を既存のFIX窓(はめ殺し窓)の内側から、 取り付け施工することをお勧めします。 これは、作品に直接風雨が当たらないようにするためと、セキュリティーのためです。
 ですから、ステンドグラスは、建築終了後にも押縁と木ネジだけで簡単に取り付けることができます。

 取り付けを希望される窓が決まりましたら、図(2)の額縁寸法=幅W、高さHの2箇所 をmm単位で測定して、お知らせ下さい。

 奥行Dは、40mm以上あればOKです(それ以下の場合は、お知らせください)。

 カマチ幅Kは、30mm以上ある時のみ、お知らせください (Kが大きいと、ステンドグラスに影が出来て、見栄えに影響するためです)。

 ちなみに実際のステンドグラスは、幅、高さとも、開口寸法(WとH)より4mmほど小さく作ります。


2.丸窓に取り付ける方法

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 取り付け方法は、基本的には上記の「1.FIX窓に取り付ける方法」と同じで、額縁に対し押縁で固定して取り付けます。 異なる点は、額縁が方形ではなく、円形だという点です。

丸窓断面図
図に示すように、ステンドグラスは額縁(多くの場合はサッシメーカーがオプションとして用意している標準品)の内側に付ける方法が簡単です。 制作を依頼される時は、予めこの額縁の内径を調べて頂き、お伝えください。 ただし、仕上げに額縁を使わず、クロスを巻きこむ方法や珪藻土などの左官仕上げをする場合もありますので、ご注意ください。

《実際の取り付け事例》
 丸いFIX窓に取り付ける場合、柔らかく曲げ易い押縁を使います。 この場合、ホームセンターや建築資材売り場で手に入るABS樹脂などのプラスチック製のモール材を流用すると便利です。 その他にも、籐や薄板の木材を押縁として使う方法もあります。

外径の調整
円形の額縁は、寸法が狂いやすいので、いざ取り付ける時になってステンドグラスの方が大きいということがあります。 この場合、ステンドグラス周囲の鉛部分をカンナで削って、現場合わせで寸法調整します。

押縁の下準備
写真の例では、断面が台形をした、ABS樹脂製のモールを押縁として使用しています。断面は幅15mm×厚6mmです。 このモールの接着面に、予め両面テープを貼っておきます。
こうすることで、仮固定が容易になります。

押縁の仮固定
両面テープを利用して、ステンドグラスに添わすように、押縁を仮固定します。
写真は、作品手前の押縁ですが、もちろんその前段階で(ステンドグラスを入れる前に)、奥の押縁もネジで固定しておきます。

押縁の本固定
最後に押縁をネジでしっかり固定して終了です。
ネジとネジの間隔は、窓のサイズにもよりますが、15cm〜30cm程度が良いです。


3.開閉窓に取り付ける方法

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 ここで言う開閉窓とは、開け閉めできるごく普通のサッシ窓のことです。 引き違い式、縦スライド式、横スライド式など、方式も様々です。 建物のほとんどの窓がこの方式ですので、ここにステンドグラス・パネルを後付けできれば、 ステンドグラスを楽しむ機会はぐっと増えます。

 方法は、ここで説明する「扉方式」と、5章でご説明する「吊るし方式」があります。 どちらも、時々窓を開けて、風を入れることが可能です。

 「扉方式」の場合、既存の窓サッシに合わせて作品をオーダーする必要があります。 ステンドグラスは直接サッシの額縁に固定するのではなく、額縁より一回り小さい木枠に収めてから取り付けます。 この木枠を、蝶番を利用して、サッシ窓の額縁に固定します。 蝶番を使っていますので、扉のように開閉が可能です。

木枠には、ステンドグラスを入れても変形しない強度が必要です。 ステンドグラスサイズが500mm(横)×1200mm(縦)だと仮定して、断面が40mm×50mm程度の角材を 使用すればよいと思います。 木枠の制作や取り付け施工は、施主様のお近くの工務店さんか大工さんにお願いすることが多いと思います。

開閉窓
ステンドグラスを取り付ける前の窓

取り付け後
ステンドグラス(写真ではフュージング画)を取り付けた後

観音開きの例
観音開きの例


4.屋内開口に取り付ける方法

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 部屋と部屋、あるいは部屋と廊下を隔てる壁に開口を設けて、ステンドグラスをはめ込む場合です。 ご注文を受ける内の1〜2割は、このパターンです。 破損やカビの心配も少なく、作品の清掃なども容易、かつ取り付けも容易ですが、採光には一工夫必要です(後述)。

室内開口の例1
階段室の中央壁に付けた例

室内開口の例2
手前が居室、裏側が玄関(玄関のしつらえが少し透けて見えます)

取り付け構造と開口の寸法測定箇所

取り付け・施工方法 開口の測定:屋内

 図(3)のように、開口にはあらかじめ額縁を設けておいて、押縁で挟み込むように施工します。

 取り付けを希望される窓が決まりましたら、図(4)の開口寸法(幅W、高さH)をmm単位で測定して、お知らせ下さい。

 ステンドグラスは、幅、高さとも、開口寸法より4mmほど小さく作ります。

 ■室内取り付けの注意点

 《注意点1》 ステンドグラスは暗い側から見るもの
ステンドグラスは、その背後に何らかの光源(バックライト)が必要です。 言い方を変えると、メインで観賞する部屋は、その背後の部屋より暗い必要があります。 明るい側の部屋から見ると、あまりぱっとしません。
 しかし、昼と夜とで、この明暗の関係が逆転する場合も多く、あまり神経質に考える必要もないかもしれません。
メインで観賞する部屋は暗い

 《注意点2》 ステンドグラス越しに背後の部屋の様子が見えてしまいます
ステンドグラスは、普通の作り方ではガラスが透明ですので、例えば玄関付近に取り付けた場合、 背後の部屋の様子が来訪者から見えてしまいます(ガラスは色が付いていて且つ歪んでいるので、はっきりとは見えませんが)。
 プライバシーを気になさる場合は、対策は下記と共通ですので、ご参考にしてください。
背後の部屋の様子が見えてしまいます

 《注意点3》 背後から照明を直接あてるとまぶしいです
 電球や蛍光灯の点光源を、ステンドグラスの背後から直接当てると、まぶしい“点”として見えるだけで、 ステンドグラス面が均一に光ることは無いです。つまり、綺麗ではありません。
直接当てると、面が均一に光ることは無い

 しかし過去の事例では、多くの場合、背後がホノ明るい部屋だったので、 特に対策は必要ありませんでした。
対策は必要ありません

 一方、背後の部屋が納戸やガレージだったりして普段暗い場合は、 照明を使って積極的に照明した方が良いでしょう。 その場合は、以下のような対策が必要です。

【対策@】 背後の白壁に光を当てる
この方法が、最も簡単だと思います。
【対策A】 背後に光を通す白いスクリーンやカーテン、スリガラスなどを置く
【対策B】 ステンドグラスに使用するガラスに、オパック処理を施す
一種のスリガラス化処理で、ガラスには表/裏が出来ます。 メインで観賞する側を表にします。裏側は、ガラスが白っぽくなります。
この方法をご希望の場合は、ご注文時にご連絡ください。ただし、制作費は1割ほど割高になります。
【対策C】 ニッチ風に壁の中に光源を設けて取り付ける
この場合、光源が直接目に入らないように、奥まったところに設けて下さい。 電球の位置は、上下でも、左右でもいいです。 また、電球交換などのメンテナンス性を考慮して、ステンドグラスの固定は、 上記「3.開閉窓に取り付ける方法」で紹介した開閉式も良いです。
壁に反射させる 背後に白いスクリーンやカーテン オパック処理(スリガラス風になる)を施す ニッチ風

室内開口の例4
【対策A】スリガラスの例(背面にステンドと同サイズのスリガラスを添わせています)

室内開口の例3
【対策B】オパック処理の例(背後のガレージにある光源がうっすら見えます)

室内開口の例4
【対策C】ニッチの例(ステンドを囲む木枠が、壁から少し浮かしてあり、 蛍光灯の光が上下からも漏れるようにしています)

 《注意点4》 電球のチョイス
ステンドグラス用ガラスの発色は、太陽光で見た時を基準に調整されています。 ですので、人工光では、太陽光ほどは綺麗に見えません。 人工光源の種類としては、省エネ系ですと、蛍光管や、3波長蛍光管、昼光色LEDがポピュラーです。 ですが、蛍光灯ですと紫系の色が赤茶けて見えます。 白熱電球は、比較的きれいに見えますが、全体的に黄色みを帯びます。 結論としては、いろいろ試してみて、最も気に入った光源を使うのが良いと思います。


5.既成作品を吊るす方法

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 既製品のステンドグラスを飾る場合、金具を使って、窓サッシの額縁上辺から吊るす方法があります。 この方法ですと、このサイトの「在庫(所蔵)作品の通販」ページ でご購入された作品を、簡単な日曜大工で、手軽に飾ることが出来ます。

 方法としては、サッシ窓の額縁上辺に、ヒートンと言われる「?」形をした金具を2個ねじ込みます。 これに短い鎖を介して、作品を吊るします。

 弊社のステンドグラスの場合、予め木枠が付いている作品と、付いていない作品があります。 木枠が付いている場合は、事前にフックをお取付するサービスもありますので、購入時に仰ってください。 木枠が付いていない作品の場合、ご希望により、木枠をお作りするか(有料)、 作品周囲の補強枠に、鎖を通す小さな穴をお開けします(無料)。 ガラス単板のフュージング画に関しては、木枠の追加(有料)をご指定下さい。

窓にステンドグラスを吊るす 窓にステンドグラスを吊るす  側面
ステンドグラスを窓枠に吊るした例


6.壁の前に飾る方法

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 ステンドグラスの背後に窓があり、バック光源として外光が差し込むことがベストではありますが、 色々な事情で、壁際にステンドを飾ることも考えられます。 現に、私の個展では、ほぼすべてこの方法で展示しています。

 方法としては、背後の白壁をスッポットライトで照らす、と言うモノが簡単できれいです。 壁は、色の無い白がベストです。 また、作品に直接光を当てるのではなく、壁に当てて、反射を利用するところがポイントです。 壁面と作品との間に、20cm程度の空間を設けてください。 また、光源は、蛍光灯より白熱灯の方が(特に紫などの)色再現性が良いです。

背後の白壁をスッポットライトで照らす
背後の白壁をスッポットライトで照らす例

 この他にも、天然光源(外光)が取れない場合の照明方法は、 上記「4.屋内開口に取り付ける方法」の【対策@ABC】をご参考にしてください。


7.よくあるご質問

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工務店さんや、お客様から、しばしば頂くご質問と回答をまとめてみました

Q1.ステンドグラスの寸法(幅、高さ、厚み)は、どこの部分を指すのですか?

 A.達風では、幅Wと高さHの定義は、作品のまわりを取り囲む真鍮枠の最外周としています (光を通すガラス部分の寸法ではありません)。
 真鍮枠は、断面が"H"型をした硬い金物で、作品と一体になっており、作品を破損から守っています。 真鍮枠の幅寸法は、10/12/15mmの3サイズがあり、作品の大きさにより使い分けています。 概ね長辺が1m以内の作品は10mm、2m近いものは15mmを使います。 ステンドグラスの幅と高さ

 また、作品の厚みは、真鍮枠の厚さ(約9mm)を指します。 ちなみに使用しているガラスの厚さは、約3mmですが一定していません。
 工務店さんと「取り合い(収まり)」のお話をする時、この真鍮枠の寸法だけ詰めれば済むことが多いです。
ステンドグラスの厚み


Q2.ステンドグラスの制作誤差は、どのくらいですか?

 A.±2mmです。例えば幅1000mmでお約束した作品は、実際出来上がると998mmから1002mmの間の寸法になります。 ですので、開口寸法に対して、余裕を持って幅/高さとも4mmほど小さく作るようにしています。


Q3.もし、出来上がった作品の方が開口よりも大きかったら、どうするのですか?

 A.そのようなことが起きないように、制作前の打ち合わせは、綿密に致します。 ですが仮定のお話としては、その場合、外周部の真鍮をグラインダーで削ることは可能だと思います。 しかし振動でガラスにヒビが入る危険性があるので、開口側(額縁など)を削る方が安全だと思います。


Q4.窓に取り付けた後、結露しませんか?

 A.幸いにして、今までそのようなご報告は頂いていませんが、可能性としては考えられます。 窓ガラス(サッシ窓)とステンドグラスの間に結露が生じて、カビが生えるということも考えられます。 その為にも、ステンドグラスを固定する押縁は、接着固定や釘止めせず、着脱できるように木ネジ止めにして下さい。 そうすれば、いざと言う時ステンドグラスを外して掃除することが出来ます。 また、サッシ側の窓ガラスはペアガラスにしておいてください。


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