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C.《小結》コース 〜ステンドグラス中パネルの作り方〜
ステップ C1
概要説明
ステップ C2
デザイン講座
(パネル編)
ステップ C3
ガラスカット
ステップ C4
凹カーブのカット
ステップ C5
ルーター技法
ステップ C6
コパーテープの
補修技法
ステップ C7
半田技法
(美しい半田)
ステップ C8
半田技法
(飾り付け)
ステップ C9
周囲の補強
ステップ C10
洗浄と黒染め
付 記
工具と消耗品一覧
ステップC8. 半田技法(飾り付け)
《1》 針金を利用した飾り
普通、ステンドグラスのデザイン上の輪郭線は、ガラスピースの境界線でもあり、そこに盛られた半田線で表現します。 しかし、ガラスをカットして表現する以上、米粒大の細かいデザインや、曲がりくねった線を表現するには限界が有ります。 そこで、わざわざガラスを切らずとも手軽に半田線を作れる2つの方法を紹介します。 その一つが、針金を利用した細くこまかい半田線の飾り付けです。
カラスウリを例に取ると、巻き蔓の部分にこのテクニックを用いています。型紙では、破線で表現している部分です。 ここに、銅の針金による巻き蔓を後付で飾り付けていきます。
烏瓜の曲がりくねった細い蔓を、線径1.6mmの銅線(針金)で作ります。 銅は半田との相性の良い金属ですし、柔らかく加工しやすいです。 まず、紙やすりで銅線をよく磨きます(表面に汚れや酸化膜があると半田ははじいて乗りません)。 次に銅線をラジオペンチなどを使って蔓の形に加工します。
すこし大胆にくねらせた方が面白いです。その後、かなづちで叩き、少し面積を大きくします。 また、叩いてつぶすと、長さや形が狂うので、修正します。
作品の上に銅線を載せて、形と固定位置を確認します。そして半田付けです。 まず、銅線にペーストフラックスを塗り、半田メッキを施します。 半田メッキとは、表面に薄く半田を付けることです。半田メッキが全面にきれいに出来ていないと、 仕上げ段階で、黒染めがまだらになってしまします。 半田メッキ後、作品上に置き、ピンセットで固定しながら、すでに仕上がっている半田線との接点に半田ゴテを押し当て、 固定します。
《2》 コパーテープを利用した飾り
2番目の方法として、細く切ったコパーテープを使った飾りを紹介します。 これは、ガラス表面に切ったコパーテープを貼り付けて、その上に半田を盛るものです。
その準備として、ガラスの表面の該当する部分の油分(フラックス)をあらかじめ除去しておきます。 ベンジンをティッシュにつけて、数回、少し広めにふき取ります。
カラスウリの作品中でこの技法を用いる場所は、カラスウリが巻きついている支柱の交差した部分です。 ここに、あたかも支柱同士を結び付けている紐が有るように、×状の線を入れます。 その場所に、幅1.5mmで長さ2cmほどに切ったコパーテープを十文字に貼り付けます。 テープはブラックコート有りを用います。
貼り付けたコパーテープにフラックスを塗り、素早く半田を盛ります。すでにある周囲の半田線と違和感無く繋がるように、 周囲も同時に融かす要領で盛ってください。
この時の注意点として、素早く仕上げることです。半田コテを当てている時間は1秒程度です。 元来ガラスは局所的な熱に弱いものです。あまり長くコテをあて続けていると、ひびが入って割れる恐れが有ります。
また、もう一つの注意点として、大量の半田を盛らないことです。小さな×模様が団子状に半田で埋まってしまう可能性が有ります。 半田はコテ先に少なめに付けて、これをテープに軽く擦り付ける要領です。
この2つの方法によって出来た線は、作品の表からは、半田線として違和感なくきれいに見えますが、裏から見るとガラスに張り付いた 黒いテープにしか見えません。ですので、この作品は仕上がり後、裏から覗かれないようにする必要が有ります。
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