東日本大震災で破損した絵付けステンドグラス パネルの修復2日目です。
ばらばらに破損したピースを、元通り復元するか、それとも新しいデザインにしてまったく違うピースを入れるか思案しましたが、完全なる修復は不可能だと考え、後者にしました。
割れて、使えなくなったスペースには、ゴールドピンクのピースを入れることにしました。そんなに大きな面積では有りませんが、このガラス、かなり高価なので、ちょっとした出費です。
私にとって久しぶりの鉛線組みです。まずまな板(作業台)を用意します。この板には、下と左の2辺に予め直角の垂木を固定しておきます。ステンドは、この垂木に押し付けながら、左から右へと順次組んでいきます。
鉛線をケイムナイフで切り、ガラスピースに被せて釘で仮固定します。これを繰り返して、組み立てます。
この時、鉛線の縁を潰さないように、圧力をかけるときは鉛線の溝の奥に不要になったガラ片を差し込んで、これをハンマーで叩いて押し込みます。こうして、全面積を組むのに2時間掛かりました。この後、ジョイント部分を半田で繋ぎます。
ここで注意すべき点は、半田コテの温度です。鉛線は融点が低いので、半田コテの最高温度で作業すると、鉛線が融けて破損してしまいます。コテのスイッチをまめにON/OFFして、半田は融けるが、鉛線は融けないという温度で作業します。
ジョイントが終わったら、ケイムとガラスの隙間に黒いパテを詰めておしまいです。
この作業は、この作品のオリジナル作者である妻がやりました。パテのはみ出した部分を竹串で切り出して、完成です。ピンクのアクセントが入った、一風変わった作品に生まれ変わりました。